「「許された」をどう受け取るか」許された子どもたち 巫女雷男さんの映画レビュー(感想・評価)
「許された」をどう受け取るか
仲間内で悪い事ばかりしていた不良グループのリーダー:絆星(キラ)が手作りボーガンで同級生を殺めてしまう。
法的話にもなり不起訴となるが、社会はその事件を放っておく訳が無い。
観客は加害者側を「ざまぁねぇな」とか「少しやられ過ぎて可哀想」と思ってしてしまう展開だ。しかし、描かれた序盤真実が無ければ首謀者以外は真実を知らない人間達のドラマ。
子供の為なら何しても構わない様なモンスターペアレンス的主人公母親(この少しお金持てばBMWを買って乗ってしまう様な中層家庭には笑える)、真実など気にせず自身の役割をこなそうとする容疑者弁護人、境遇から逃げようとしてもネットで名前が晒される加害者主人公、偽情報にてイジメに遭う少女、自分のイジメを棚に上げる子供達等、かなり現代社会的である。
子供も大人も、誰もが同じ境遇になるかも知れないというサインだと思うし、心に受け止めて置きたい。
面白いのだけれども、映画としてはラストが投げっぱなしジャーマン的なのは頂けない。
「そこまでこのテーマでやっておきながら行き着く先はそこ?」的。ちょっと途中までの盛り上がりからは少子抜け。
「(第三者から観て)やってる事おかしいんではないか?」
それを言えなくなってしまった現代社会の罪と罰。
面白かったですよ✨
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