劇場公開日 2020年6月5日

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「こっちが未来で、そっちが過去。夢じゃないから。」ドロステのはてで僕ら 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0こっちが未来で、そっちが過去。夢じゃないから。

2020年8月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

そもそもドロステってなによ?ってなるが、それは「ドロステ効果」のことで、合わせ鏡のようなもの。向かい合ったモニターが入れ子状態になって延々とつながり、それが二分ずつ時間がズレている。
こっちが今で、向こうが二分後の未来?その向こうには更に二分後の未来?
そうと聞いても頭の中には???となっている。理解しようとする先から、画面の中では更に手のこんだギミックを畳みかけてくるので、よけいに???となっていく。でも、頭の中でついていけないのに、観ててワクワクして仕方がない。ばらまいた伏線を回収していく、というよりは2分前の未来に伏線を張り巡らせていく感じ。すべてをスマホでワンカット(風なのか?)で撮影しているので、台詞トチリは言うに及ばず、ちょっとしたタイミングを間違うだけでそれまで苦労がオジャン。まるで、人間自身が装置の一部分になって大人数で仕掛けるピタゴラスイッチ。画面の映っていない裏方の苦労(電源コードを捌いたりとか)も想像できて、それはむしろほほえましくて、おかしくなってくる。どこか学芸会のノリ。当日はもとより、前日までのワチャワチャ感。最後に流れるネバヤン風の歌がまた、この映画の一体感にぴったりだった。
カメ止め好きなら見逃せない一作です。エンドロールのあとにプレゼントもありますのでお見逃しなく。

栗太郎