「ジブリ+サンリオ+トリガー。良いとこ取りの満漢全席。」羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来 といぼさんの映画レビュー(感想・評価)
ジブリ+サンリオ+トリガー。良いとこ取りの満漢全席。
映画レビューサイトでめちゃくちゃ評価が良かった今作。中国のアニメということしか知らない状態で鑑賞いたしました。
結論。めちゃくちゃ面白い。今年のアニメ映画の最高峰と言っても差し支えないと思う。というか、これまで私が観たアニメ映画の中でもトップクラスに面白かった。
ジブリのような不思議で魅力的な世界観。サンリオのような可愛らしいキャラクター。そして何より驚いたのは大迫力な戦闘シーン。とある映画レビュアーさんは「ドラゴンボールのようだ」と形容していましたが、私は「キルラキル」「プロメア」などで有名なアニメ制作会社「トリガー」を想起しました。可愛らしいキャラクターたちが繰り広げるスピード感のある戦闘シーンは手に汗握るほどのド迫力。この戦闘シーン観るためだけに、1900円払う価値があると思います。
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猫の姿をした妖精のシャオヘイ(花澤香菜)は人間の森林伐採によって住んでいた森を追われ、街で野良猫として人間の食べ物を盗んだりしながら生活していた。ある日人間たちに追われていたところを、シャオヘイと同じく妖精であるフーシー(櫻井孝宏)に助けられ、フーシーと仲間たちと共に生活をすることになった。しかし、彼らの元に謎の襲撃者である人間のムゲン(宮野真守)が現れた。フーシーたちは逃げ切ったものの、シャオヘイはムゲンに捕らえられ、「館」と呼ばれる場所に連行されるのであった。
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序盤は非常にファンシーな雰囲気で映画が始まります。深い森の中にいる一匹の黒猫が、人間の土地開発によって住処を追われ、人間のいる街で大変な生活を送る。そして黒猫は植物を操る妖精のフーシーに助けられ、妖精の仲間たちと共に楽しく暮らすことになる。
最初は絵柄の可愛さやその優しい雰囲気から、「これから楽しい生活が描かれるんだろうな」と思って鑑賞していましたが、ムゲンの登場でそれが一変します。
本当に、冒頭のホンワカしたファンシーな雰囲気から、ムゲンとの戦闘シーンへの切り替わりがエグイ。温度差がヤバい。ファンシーな描写も一級品ですし、戦闘シーンも一級品。日常シーンもアクションシーンも気合を入れて描いてくれているため、そのギャップに「すげぇ作品に出会ってしまった」と一瞬で引き込まれました。