「ジュリエット・ビノシュってやっぱ凄いと思わせる映画」私の知らないわたしの素顔 カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
ジュリエット・ビノシュってやっぱ凄いと思わせる映画
アマプラで鑑賞。
ドンデン返しが凄いという触れ込みだったので観てみたが、自分的にはそこまでのインパクトを感じることはなかった。
実際よりも若く美しく偽ったり、会ってもない相手に本気で熱を上げるというのはSNSではあるあるの話かと思うが、男女の関係なのでやはり行き過ぎてしまうと何かしらの悲劇を巻き起こすと言うことなのかも知れない。
主演のジュリエット・ビノシュは「存在の耐えられない軽さ」で初めて見た時に、見た目のうぶさに反し奔放で情熱的であっけらかんとした演技に衝撃を受けたが、本作では年の離れた若い姪に旦那を奪われた事から精神を病み、年齢や老いへのコンプレックスに悩みむ中年女性を時には美しく、時には醜く見事に演じている。
ヨーロッパ、特にフランスの女優さんはハリウッドとは違い、年を取ってもありのままの美しさを尊重する文化があると言われているが、還暦近くになってもスッピンのアップを世に晒し、若い男にのめり込む情けないおばさんを演じきった女優魂には最大の賛辞を送りたいと思う。
(本人はそんなこと微塵も思っていないかも知れないけど)
コメントする