劇場公開日 2020年2月21日

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「【ジョージア舞踏を知った作品。そして、ジョージア(グルジア)では、男色が許容されていないことも・・。主役を演じたコンテンポラリーダンサーとして活躍する痩身の男性の眼が印象的な作品。】」ダンサー そして私たちは踊った NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【ジョージア舞踏を知った作品。そして、ジョージア(グルジア)では、男色が許容されていないことも・・。主役を演じたコンテンポラリーダンサーとして活躍する痩身の男性の眼が印象的な作品。】

2022年5月18日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

■ジョージアの国立舞踊団で、幼少期からダンスパートナーのマリとトレーニングを積んできたメラブ(レヴァン・ゲルバヒアニ)。
 ハードな練習の後はアルバイトで貧しき家計を支え、休む暇もない。
 ある日、メイン団員のザザが、男色行為により、舞踏団を追われる。欠員補充は只一人。
 そこに、カリスマ的な魅力のある青年・イラクリが入団し、欠員補充のためのオーディションの開催が告げられ、メラブはライバル心を抱くが…。

◆感想

 ・作品の流れは、良くあるストーリーではあるのだが、ジョージア舞踏の男っぽい音色が印象的である。東洋風でもあるが、エキゾチックな音色。ジョージアの国の成り立ちを彷彿とさせる。

 ・今作の魅力は、矢張りメラブを演じた実際にジョージアでコンテンポラリーダンサーとして活躍しているとされる、レヴァン・ゲルバヒアニの痩躯な身体と、色気漂う大きな眼が印象的な風貌で有ろう。

<ダンスと家族に身を捧げるメラブの前に突如現れたライバル、イラクリ。
 特訓を経て、恋へと変わっていく2人の関係性と、彼らへの暖色を偏見として観る団員の眼差し。だが、それを知りつつも、厳しきジョージアの国立舞踊団のコーチ、アレフの前で一心不乱に踊るメラブの姿が印象的な作品である。>

■私が、男性(バレエ)ダンサーの映画を見るのは、今作が三本目である。手元には今作のフライヤーがあるが、物理的、コロナの影響で劇場で観る事は出来なかった作品である。
 鑑賞したのは、一本目が、セルゲイ・ポルーニンのドキュメンタリー映画である。異彩を放っていた彼が誰にも真似できないと言われた森の中での小屋で踊る際の、高い高い飛翔のシーンは今でも覚えている。
 次いで、観賞したのはソ連を脱出しようとしたヌレエフの姿を描いた「ホワイト・クロウ 伝説のダンサー」である。
 元々は、学生時代に耽読した、赤江瀑の”ニジンスキーの手”に触発された過去が遠因かもしれない。
 人間が躍る姿は、実に美しいと思うのである。

NOBU