「【”邦画悪人髭面俳優大集合映画!””この作品を夜中に観て面白いと思った私は変態でしょうか?””ハイ、変態ですが、情には厚いと思います。””テヘヘ。”】」辰巳 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”邦画悪人髭面俳優大集合映画!””この作品を夜中に観て面白いと思った私は変態でしょうか?””ハイ、変態ですが、情には厚いと思います。””テヘヘ。”】
<Caution!内容に触れています。>
ー この映画のフライヤーには、
”希望を捨てた男と復讐を誓う少女が辿る、前代未聞のジャパニーズ・ノワール!”
という惹句があるのだが、この映画の魅力はジャパニーズ風ではない所ではないかなと思うのである。
無国籍であり、2024年公開映画でありながら、登場人物がガラケーを使っている所も、時代がいつであるか分からないように小路紘史監督はしているのではないかと思ったからである。-
■裏稼業で死体処理の仕事もしながら漁業で働く孤独な辰巳(遠藤雄弥)はある日、元恋人・京子(龜田七海)が抗争に巻き込まれて殺される現場に遭遇する。
一緒にいた京子の妹、葵(森田想)を連れて逃げる辰巳。最愛の家族を失った葵は復讐を誓い、京子殺害の犯人、竜二(倉本朋幸)と松本(渡部龍平)を追う。
口が悪く、唾を矢鱈と吐く自動車修理工の生意気な彼女と反目しあいながらも、辰巳は復讐の旅に同行することになる。
◆感想
・ご存じの通り、小路紘史監督は2015年公開の『ケンとカズ』で、一躍名を上げたがその後、全く作品を公開してこなかった。この作品が久方ぶりの第二作で自主製作映画である。
・主人公の辰巳を「ONODA 一万夜を越えて」で強烈なインパクトを残した遠藤雄弥が演じ、京子の仇を取ろうとする葵を、どんな役でもこなす森田想がパワフルに演じていて、宜しい。
・他は辰巳を気遣う自動車修理会社で働く後藤を演じた後藤剛範を筆頭に、悪役髭面俳優オンパレードである。ハッキリ言ってムサクルシイ。だーが、それが辰巳を演じた遠藤雄弥の端正な顔を引き立たせており、良いのである。
・上記したように、時代や場所をハッキリとさせない作りも良いかな。一点、残念なのは辰巳の弟を演じた藤原季節が、冒頭で殺されてしまう所かな。
<現代の邦画の潮流の中、今作のようなテイストの映画は、絶滅危惧種になりつつあるのかもしれない。だが、上記したように無国籍、時代を曖昧にした舞台設定であれば、マダマダニーズはあるのではないかと思った映画である。
そして、ヤッパリ遠藤雄弥、森田想は良い俳優だなあとも思った映画でもあるのである。>
遠藤、森田のコンビですが、この映画のあと、「朽ちないサクラ」で殺人者と被害者役で共演してました。二人の出演部分はそこだけ空気感が変わる感じがして面白かったです。