「ぶっ壊れたままの一貫性に説得力ある秀作!」辰巳 komagire23さんの映画レビュー(感想・評価)
ぶっ壊れたままの一貫性に説得力ある秀作!
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(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
映画の初めの方の葵(森田想さん)が、主人公の辰巳(遠藤雄弥さん)に唾を吐きかけて暴れまわるシーンなど、登場人物のテンションの高さにこれは見る作品を失敗したか?(初めだけ一貫性なく見世物的にテンション高いダメな作品も映画では少なくないので‥)と思われたのですが、次第に映画の目的がクリアになると、それぞれの人物造形の深い一貫性も相まって、非常に面白く最後まで観ました。
主人公の辰巳も別に心底良い人ではないですし、葵もどんなに語ってもぶっ壊れた魅力を持った人物で、他の登場人物含めて、どこか壊れたままの人物を一貫性を持って深い理解で描き切った小路紘史監督の人間観に、ただひたすらに映画を通して好感していました。
小路紘史監督はもっとたくさん映画を撮らなきゃいけない映画監督の一人であろうと思われました。
小路紘史監督に今後、日本映画界が光を当てることを願っています。
人物造形・演技・アクション・カット・リアルな空気感・ストーリー‥どれも良く、このバジェットでは最高点レベルに到達していたのではと僭越ながら思われました。
観に行って良かったです。
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