劇場公開日 2019年12月28日

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今日もどこかで馬は生まれるのレビュー・感想・評価

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競馬界のタブーに、真正面から触れる

2022年11月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

※私のレビューでは、ドキュメンタリー映画の採点をしていません。ご了承ください。  自分はイチ競馬ファンである。馬を見て馬券を買い楽しむことは勿論、名馬登場の期待、海外での日本馬挑戦という夢、そして名馬の仔が新たな時代を築く姿など、競馬は多くの面から楽しめる要素を持っている。しかし、登録抹消(引退)した馬の行先には、始めた当時の自分は全く考えていなかった。 競馬ゲームをしていたころ、育てた競走馬で種馬になれなかった馬は「乗馬」として引き取られていたから、みな引退後は乗馬になるものと小さい自分は信じて疑わなかった。しかし、少し大人になり、少し計算してみると違和感に気づく。みなが乗馬になると国内で飽和する、乗馬の需要と供給のバランスが明らかに合わないと。そこから競走馬の余生について興味を持った。イチ競馬ファンとして競走馬のその後は知っておくべきことと思い、それに触れる記事や番組があると見るようになった。本作も、そんな気持ちから手に取った。 ここで登場する人たちは、生産者、調教師だけではない。屠畜、競馬記者、引退先の牧場経営者、馬主、競馬ファン・・・。生産者はもちろん、ファンでも薄々気づいていた。競走馬の多くが天寿を全うできないことに。その多くが肉に変わることに。しかし屠畜を語ること自体が“競馬のタブー”とされてきた。それでも、人間のエゴで命を与えられた生き物が、人間のエゴにて左右されていいのか?新たな活躍の場を作って天寿を全うできないか?その悩みに苦しみながらも馬のために向き合い続けている人たちがそこには映されていた。  そこで個人的に驚くことは、  生産者ほど、かなり悩んでいる。 昨今、動物愛護の観点が日本でも強くなり、「競馬は馬を虐待している」「人間の勝手で馬が左右されることがかわいそう」などと意見があるのは知っている。「競馬を廃止せよ」という極論まで見かける。しかし、サラブレッドは歴史を見てみると“競馬に勝つために品種改良をされ続けた種族”である。つまり、競馬が活躍の場なのだ。それが断たれる=その種の絶滅を意味する。また3兆円近い売り上げを誇る(馬券以外で動くカネも含めればもっと)の産業で働く人たちの生活をもなくなることになる。だからこそ、競走馬に対し少しでも長くこの世で生を受けれるように奮闘している。また引退後のセカンドキャリアを考える人たちは、命あるモノを大切にしたいがために、身を削って世話する姿が描かれていた。時には自分が思いもしなかった方法で馬を助けようと工夫し経営が火の車でも支える姿があった。それだけに、 「どこかで割り切らなければいけない」という言葉が重かった。 非常に印象的な言葉です。彼らは真剣に向き合い、悩み、これが自分の力で出来る最善だと思える方法を見つけ出し、割り切っている。そんな人たちに、競走馬の行く末を論じるにはこちらもしっかり知らなければいけない。軽率なことは言えない、そのような重さを「割り切る」という言葉から思いました。 タブーとされてきた競走馬の行く末。しかし、実は競馬に携わる人たちの多くが悩み気にしていたこの問題。これには競馬ファンは知っておくべきであると思う。そして時にはファン同士で議論を盛り上げるべきだとも思う。自分としては、JRA(日本中央競馬会)や国がもっと動いてほしいと思う。しかし彼らの腰は重い。だが彼らはファンの声が大きくなると無視できない。過去にあった「ハマノパレード事件」や「ハードバージの最期」ではファンの声が上がり社会的に問題提議され、彼らの腰を上げさせた。競走馬の今後を救う可能性はイチ競馬ファンにもかかっている。だからこそ、この映画は競馬ファンにこそ観てほしいドキュメンタリー映画です。

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asukari-y

2.5テーマがブレていた?

2022年9月22日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

すみません、ドキュメンタリー映画を見慣れていないせいか、自分には会いませんでした。 自分も競馬歴10年以上で、色々思うことがあるんですが、それぞれの立場の人たちに対するアプローチの仕方や問題点が恐らく各々ズレていて、テーマがブレていた印象でした。

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ジンクス

3.0毎年7000頭も生まれている

2021年10月4日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

毎年7000頭も生まれているサラブレッド、この中で繁殖用として生き残る牡馬、牝馬は少なく、買われなかった馬や引退後の馬がどうなるのか、想像はできるが明らかにされていない。 牧場や調教師からの視線で競走馬を見つめていくが、優しい馬の目はとても辛いものだ。 生き物を扱う巨大産業の暗部だ。

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いやよセブン

5.0年間8000頭の競走馬が食肉になっているという、だがその事実は公に...

2020年2月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

難しい

年間8000頭の競走馬が食肉になっているという、だがその事実は公にはなっていない。 仮に食肉を免れたとして、天寿を全うできる競走馬はほんの極々一握りで人間の重荷なれば安楽死させられる。 現実はこの二択であるらしい。 人間界以上の強者の論理に心が痛みました。 でも、人間も明日は我身かもしれません。 少子高齢化で年寄を面倒みるのもままならなくなり、生涯独身の老人も増えて、どう考えても明るくない将来を鑑みるに、ある種の人間が作り出した競走馬という経済動物に対する因果応報であるような気もしてきました。 せめて少しでも長く快適に生きるは・・決して競走馬だけに限らず我々人間も同じなんじゃないでしょうか? 鑑賞後、寂しくもあり、切なくもあり、でも 現実を上手く切り取った本作に満足感を覚えました。

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ちゆう

4.0名前のある馬たちに対する責任とは

2020年1月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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りゃんひさ

4.0止められぬ暴走列車

2019年12月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

JRAの売上高は2兆7000億円。国庫納付金は約3000億円。入場者数は600万人。 これだけの経済効果のあるエンタメ産業は、もはや止められぬ“暴走列車”だ。 この“暴走列車”の動力源として、大量に消費されているのが「馬」。 年間7000頭がサラブレッドとして生を受けるが、天寿(20~30年)をまっとうできる馬は、ごくわずかだという。 必要な競走馬の数をはるかに上回っているはずだが、この競争こそが、さらなる資金と雇用を生むのだから、馬の「命」の犠牲の上に成り立っている“産業”である。 自分は競馬はやらないが、全国の競馬場まわりに精を出したり、「(馬が)かわいい~!」と熱狂する知人はいる。 “ペット感覚”は、日本人特有だそうだ。「光の当たるところしか見ない日本人」。 痛感したのは、馬は、牛・豚・鶏の“家畜”とは、根本的に異なるということだった。 最終的には、半分以上が“屠畜”されるようだが、元々は殺す目的で育てられていない馬が多いという、大きな違いがある。 競走馬としての活躍を期待して育てたのに、ダメになって、いつの間にか行方不明になって行く。 登場する関係者は、苦渋の表情を浮かべる。だが、次々と新しい馬が来るので、「割り切るしかない」。 しかし、彼らとて食卓では、牛肉や豚肉や鶏肉は食べるだろう。だから問題の本質は、“感情”であり、また殺生のシステムや必要性に係わると言える。 概要は、公式ホームページに詳しい。 濃密でありながら、テンポ良く進み、94分の間まんじりともせず見入ってしまった。 ダラダラとインタビューが続くタイプの作品ではなく、客観的な数字データも折にふれて示される筋の通った内容だ。 監督自身も競馬ファンのようで、2回のクラウドファンディングを経て作った映画だという。 今まで「知られていなかった世界に光を当てた」、素晴らしいドキュメンタリーだ。

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Imperator