「狂気と悲劇」サスペクト 薄氷の狂気 Bacchusさんの映画レビュー(感想・評価)
狂気と悲劇
少女を含む、多数の女性誘拐殺人事件の容疑者として逮捕された、精神疾患を抱えているとみられる男と、担当警察の刑事達の話。
家族を殺されて引退した元判事と被保護者の少女による不気味なお仕置きも絡めつつ、容疑者の異常な言動と、逮捕されて尚続く容疑者に関連する爆発事件等に翻弄される警察との対峙をみせていくストーリー。
どういうからくりか、共犯はいるのか、本当に精神疾患なのか、疑心暗鬼になっていく展開のサイコサスペンスで、ゲームと宣ったり、泣き叫んだりをみせる容疑者は、なめているのか、計算ずくなのか、良い意味で不快さと不気味さがたまらない。
よくよくみると独居房で違和感を覚える描写もあったし、それまでの挙動から、そのパターンは全く予想出来ないネタではないけれど、鑑賞中はそこまで考えが及ばずしてやられた気分にさせてくれた。
難しくはないけれど、考える暇が無いほど色々と起きまくる報量の多さと、胸クソ悪さをテンポ良くみせている展開が上手いしね。
映像的なグロさは殆どないけれど、なかなか良い精神的なグロさや気分の悪さとキレイな収束で、とても面白い作品だった。
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