「【隔絶した戦場で、次々に起こる出来事に、心揺らいでいく若年兵たちの姿を、密林、川、大地の美しき背景の元、緊張感漲る映像で描き出した作品。圧倒的なカメラワークに魅入られた作品でもある。】」MONOS 猿と呼ばれし者たち NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【隔絶した戦場で、次々に起こる出来事に、心揺らいでいく若年兵たちの姿を、密林、川、大地の美しき背景の元、緊張感漲る映像で描き出した作品。圧倒的なカメラワークに魅入られた作品でもある。】
ー アレハンドロ・ランデス監督は、エクアドル人の父と、コロンビア人の母を持つ。
という事で、勝手に劇中描かれる場所はコロンビアの何処か。
描かれている戦いを”コロンビア内戦”だろうと、勝手に決めて鑑賞。-
◆感想<Caution !内容に触れています。>
・どことも知れぬ、密林を眼下にした大地で、ウルフ、ランボー等とお互い呼び合う若年兵たち。
稚気が抜けない表情の彼らが、”組織”の男が持ってきた乳牛を誤って撃ち殺してしまう所から、彼らの生活は狂い始める。
隊長は責任を取って自殺し、新たな隊長が任命される。
更に、米国人の博士を人質にした、彼らのアジトに降り注ぐ爆弾。
彼らは、アジトから脱出を始めるが・・。
- 最初は、若年兵たちは楽しそうだが、徐々に状況が過酷になって行く様。
博士を逃がしてしまった事で、訪れる”組織”との亀裂。
そして、仲間の死・・。-
<異様な雰囲気が、終始漂う作品である。
戦争映画でもあるし、若者達が厳しき現実に向き合う過程を描いた映画でもある。
圧倒的なのは、カメラワークである。
水中で、アメリカ人博士が女性兵士を自らが繋がれていた鎖で殺害するシーンを筆頭に、
”ここはどこなんだろう・・”と言うシーンが続く。
最後、米軍に捕らえられた少年兵の涙は、何を意味しているのだろうか・・。
ゲリラ組織に良いように使われ、死んでいった仲間を想っての涙、そして自分自身への後悔の涙なのだろう、と勝手に解釈した作品である。>
<2022年1月9日 刈谷日劇にて鑑賞>
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