「右手首が魂を持つ物語。記憶と希望。」失くした体 コバヤシマルさんの映画レビュー(感想・評価)
右手首が魂を持つ物語。記憶と希望。
内容は、体と切り離された右手首とが再び出会うかもしれない場面を描いた言葉の少ない映像作品。右手首から見た過去映像や自分や主人公ナウフェルから見た過去の映像が重なり微妙な違いが複雑な感じを抱かせる。主人公がハエを🪰恐れているのではなく右手自信が恐れている🪰を見るシーンは👁上手い表現と共に怖かったです。その前の鳩🐦にもパンチありました。好きな言葉は『腕時計でも買いに行け!』ピザの配達員🍕ナウフェルの上司に仕事注意された時の言葉。それが最後の伏線になっているとは…キチンと抑える所を弁えてて凄い。起こる出来事が全て逆らえない運命の様に見え、結果右手首を落としてしまうが、最後はそれすらも乗り越え飛んでいくという希望と僅かな再生に向けたストーリー展開が素晴らしい。これほどの映像作品は流石フランス🇫🇷と言わざるを得ません。好きな場面は、右手首を落とした直後のナウフェルに出会え、付いていた体にくっつきそうで付かない奇跡は起こらない所です。それと主人公ナウフェルは、深く世の中に絶望した所にピザの宅配から知り合ったガブリエルに会い、ストーカー紛いな行動から彼女に近付く場面。初めての自分を気遣ってくれた人に好意を寄せる独りよがりな場面が見ていて、そう!これこれっ!って感じになりました。実際はこんな感じで不細工なモノです。まさにこの作品で出て来るガープの世界そのものです。右手首が1人歩く…ホラーな感じが緊張感を伴い随所に寂しさと恐怖を感じました。映画内で常に右手と主人公ナウフェルの心理が表現されているのは、微妙な映像表現は見落としがちですがよく見ると声にならない右手首の声が聞こえて来る様で面白い。右手のホクロ・右手に付く赤いペンキ・よってたかるハエ🪰・コップと間違われる右手首・右手の腕時計⌚️右手が見ていた世界がこうだったのかぁー!恐れ入りました。長編映像表現での良さが繊細に描かれて克明にカタルシスの解放へと誘われ最後は、細やかな笑いと再生が何とも苦い。大人の感じが楽しめるアニメでした。これが実写なら怖すぎて映像に集中出来ないしね。右手🫲の細かなら作画は意気込みを感じます。最後に右手首が病院冷蔵庫から逃げ出す事から始まり本体ナウフェルに会いにいく話の流れで冒険の途中様々に見るモノが本当は見てないのかもしれないと感じる所に面白さがあるのかもと感じました。右手首はあの事故を防ぎたかったのかもしれませんが、失う事で得るモノもある。体の一部は失くしたかもしれませんが強く生きる魂を得る事が出来た事は、分かりにくいかも知れませんが、二度見すると非常に面白い映画🎞でした。