「【大切なモノを亡くしても、”生きる”という事。哀愁溢れるトーンの中、薄ぼんやりと見える明るい未来を感じさせる作品。】」失くした体 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【大切なモノを亡くしても、”生きる”という事。哀愁溢れるトーンの中、薄ぼんやりと見える明るい未来を感じさせる作品。】
主人公はナウフェルというアジア系の風貌の青年と、”手首で切断された手”という可成り、ダークファンタジーかな?と思わせる設定。
”手首で切断された手”は序盤から、地下鉄の階段を一人で降りていき、ホームから落ちた際には、ネズミと格闘する・・。
-この手首が見ていると思われるアングルで描き出される画が、良い。-
オープニングシークエンスから裕福で両親から愛されていた、幼きナウフェルに何が起こり、その後、何が起きるかは何となく予想出来る。
-”手首で切断された手”の人差し指と中指の付け根の黒子・・。ー
青年になったナウフェルは、貧しき暮しでピザの配達をしながら生計を立てているようだ・・。そこで、出会った声の”ある優しき言葉”にナウフェルは惹かれ、その言葉を発した女性、ガブリエルの叔父が営む木工屋の見習いになるが・・。
・ナウフェルが大切にしているカセットデッキの意味も徐々に明らかになり・・
ラストの雪が積もったビルの屋上のシーンは少しハラハラするが、”ナウフェル君、君の事は彼女がきっと支えてくれるよ・・”、と勝手に思ってしまったよ。
<奇抜な設定と、それを描き出す画の不思議な美しさと、哀愁溢れる音楽が魅力的で物語に引き込まれ、(作品が81分と短尺な事もあり)あっという間に時は過ぎる。
大仰な展開があるわけではないし、セリフも少ないが独特な世界観が面白きアニメーションであった。>
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