水曜日が消えたのレビュー・感想・評価
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みんなちがってみんないい
1週間の曜日を、それぞれ別人格で生きる、7重人格の人物を描いた作品。
「1日が短い」(うろ)というセリフや
「水曜日」が消えたことによって、「火曜日」が、2日連続で生きる事をした悦ぶ様子は、
1週間を平凡に送る自分にとっては、ありがたみや戒めを感じて考えさせられました。
発想は面白いですね。
なにげなく深いメッセージが沢山あって、1日1日を大事に生きよう、どんな個性も大切にしよう…と思いました。が、
でもなにが言いたいのかよく分からない。
倫也さんのお芝居は素晴らしいです。違和感なく別人でした。
オシャレ系の作品。
「ジョナサン」にないもの
タイトルだけでは意味が分からない。
しかし早々にこの物語が「ジョナサン」の型を使っているのが解った直後、作品からネタバレが提示される。巧みな手法。
この作品にはジョナサンから派生させた新しさが込められているようだ。
ジョナサン同様、彼、または彼らに起きたことは症例上稀有なことで、彼の治療および研究のために専属医が置かれている。
またジョナサンと少し違い、作品の主人公はあくまで火曜日だ。
そして謎の編集者を名乗る女性、イチノセ。
性格上、火曜日は他の曜日者たちの後片づけと記録に追われ、変化のないルーティーンの日々を過ごしている「つまらない男」。
火曜日の唯一の希望が休館日と重なる図書館に行くこと。しかしその夢は基本的にかなうことはない。
おそらくは専属医に指示されているのだろう、他の曜日の干渉や邪魔をすることはしないというルールを設けいている。
ところが毎回月曜日の灰汁の強い性格と決めたことを守らないことに、火曜日は少々イライラしている。
基本的に関係ないはずの火曜に現れるイチノセの魂胆も不明だが、彼女によって物語が進行する。
専属医のデータ改ざん疑惑が研修医を名乗る調査員アラキによってあぶりだされるが、専属医は7人いる彼らの一人ひとりの個性に深く傾倒していた。
専属医だけが、特殊ながらも彼らの個々人を尊重していたのだ。
そしてジョナサンと同じく、正確に循環していた7人が消滅、統合し始める。
ジョナサンの見どころは「私」が消えてしまう切なさを描いていた。
テーブルに並べられたモノポリーや碁、将棋、チェスなどが意味しているのは、お互い誰が最後に残るのかという暗示。
やがて水曜日が消えていることに気づく。それは最初火曜日にとってうれしいことだった。念願だった図書館に通えて、そこで司書のミズノに恋心を抱く。いち早くそれに気づいたイチノセ。火曜日はイチノセに言う「水曜日とは仲が悪い」
この時同じく月曜日は、金曜日と土曜日を支配し、日曜日までも半分支配していた。
ある日火曜日は、ミズノに思いを寄せているのは水曜日も同じだということを知る。それはライバルの出現でもあったが、ミズノの思い出の主人公のほとんどが水曜日だということに気づく。
ここで火曜日の性格が大きく前に出る。火曜日はその恋を水曜日に譲りたくなるのだ。同時に、それぞれの曜日の自分をいとおしく思えたのだ。だからいち早く病院へ出かけ、それぞれが今まで通り存続できるようにしたいと思った。
ところがそれを月曜日が邪魔をする。「病院などへ行かずに、さっさと家に帰って薬を飲めば治る」 道端で月曜日と火曜日が入れ替わりながら支配権を争う。
翌朝、イチノセは彼を同級生とか友達という言葉を遣っていたが、彼を好きだったことはよくわかる。同時にこの時、事故前のすべての記憶を取り戻した主人公はすでに一人になっていた。
「月曜日」
月曜日は火曜日に成りすましてイチノセの本音を聞き、専属医の本音を聞いたことで、気持ちが大きく揺らぐ。
専属医の言葉「いまの君が正しいと思う道を選びなさい」
そして再検査の結果、今のままでは危険で早急に手術をする必要がある。しかしその目的は「治療」
その治療に際して月曜日はアラキに質問する「一人ですか、それとも7人ですか?」
「それは君が決めることだ」
月曜日の変化は、「かつて」だったものが誰もいないという事実の認知。
セパレートしていた時に感じていた自由感がない。統一されたことで感じる寂しさと重さ。
お互い干渉せず、邪魔しないことでお互いを保ってきた。お互いがお互いを好きじゃなかった。
しかし変化した月曜日が決めたのは、今まで通りのセパレートだった。
そこには、お互いが協力し合う世界が待っていた。お互いの真剣なものに対し、割と積極的に参加し、その能力の向上の協力をする。
この稀有な新しい世界。
この作品には新しさと面白さがあった。
家族との付き合い方
解離性同一性障害の話ではあるが、どちらかというと家族との付き合い方に近い。設定は非日常だが、内容は家族に振り回される青年の生活という感じだった。時々現れる事故と鳥の暗喩は美しくて好きだった。
どの曜日にもそれぞれエゴがあって、月曜は確かに火曜の前なので目立ってはいるが、火曜だってまあまあ好きなことをやっているのでは? 何より火、水、金、日は見える範囲では稼げていない。やはり財力……大蔵省が一番強い……かと思いきや、彼らは各々貢献もしている。火曜は家事全般、水曜は健康維持、金と日はQOL向上と他曜のサポート。そりゃそうだ。月曜はあんな性格だけど、気分良く目覚めるためには日曜が心身を整えてくれている必要がある。本当の意味で他曜を敵に回すとどうなるか、多分身にしみて分かっているのだ。……他曜って言葉あるんだろうか? 何しろ火曜以外の日常生活力がいまいち低いので、上手いことバランス取れている感がある。その辺の補完がEDでされているのはとても良かった。EDとても良い。萌える。いっそその部分だけもっとクローズアップして短編集が欲しい。
こういう関係性は実際のところ、同居家族と似ているなと思う。旅行に行きにくいだの何だの言っていたけれど、7人仲良くしていれば、海外にだって普通に行けるんじゃないの?
中村倫也ファンは大好物です
エンドロールで伝わる7人の仲の良さ
終わりよければ全てよし
混乱してもエンドロールは見逃すな
なかなか面白かったです!
火曜日視点っていうのがわかりやすくていい。けど、結局最後はちょっと混乱して考察を見てしまいました。それをエンドロールで見てしまったがために付箋を見逃し、みんなのレビューで気づいて見直しました。笑 エンドロールでほっこり。
中村倫也さんの曜日の演技分けが素晴らしい!
この設定楽しい!
中村倫也さん、キャリアは長いけど人気が出るのに時間のかかった役者さんという認識。
あのトップコート三兄弟の長男ですからね。
松坂桃李に菅田将暉て。弟達がイケメン過ぎたけど、実力はさすが長男です。
中村倫也さんという役者さんをフルに使っていて、彼の才能を確かに感じ、魅力をたくさんみせてくれるそんな一本でした。
各曜日にキャラクター設定されていて、お話のメインになるのは火曜日の彼。
中盤から月曜日の彼も登場。
砂糖味と醤油味を堪能でき、塩味(水曜の彼)もちょいちょい感じながら、お話は進んでいきます。
同じ人間なのに、事故の後遺症から多重人格者へとなってしまう主人公。
でも、鑑賞しながら、世の中の俳優さんってつまりはこんな感じでしょう?と思うと、つくづく役者というのは、ユニークで面白いお仕事だなと思いました。
実際こんなこと自分の身に起こったら大変なんですけどね。
ファンタジーというかミステリー?というか。なんだか今までみた映画にはない感じがして最後まで楽しめました。
とにかく火曜日の彼が心優しい青年で、何度キュンとしてしまったか。
可愛らしい人も中村倫也さんならではの演技で魅せてくれましたね。
毎日人格が入れ替わる7人の人格を持つという設定。その水曜日の人格が...
中村倫也ファンに向けて。
中村倫也のための中村倫也を鑑賞する映画
謎が謎を呼び最後ほっこりする作品
「水曜日が消えると困る」
悪い人がいないタイプの多重人格
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