「登場人物それぞれの人生が」ナイル殺人事件 odyssさんの映画レビュー(感想・評価)
登場人物それぞれの人生が
以前にも映画化されて、そちらもそれなりの作品でしたが、今回のケネス・ブラナーによる映画化も悪くない出来です。
この映画、名探偵ポアロがいかに誕生したのか、から始めています。
第一次世界大戦にベルギー兵士として出征した農家の青年が、天性の頭脳を活かして味方の軍隊を勝利に導くのですが、しかし・・・という始まり。
ロシアのウクライナ侵攻が起こったばかりの時期にこの映画を見ると、何となく今の世の中も変わりはないのかな、という気がしてきますね。
しかしその一方で、時代に合わせて「政治的正しさ」にも配慮が。
つまり、黒人女性二人が登場しているからです。
しかし、この二人の人物設定がちゃんと考えられているので、上っ面だけ黒人を採用してバランスをとりました、という感じにはなっていない。
また、それ以外の人物についても、時代との関連がちゃんと設定に活かされています。
この映画の時代設定は1937年。第一次世界大戦から時間は経っているけれど、世界恐慌のによる経済的な疲弊などが顕在化していた時期です。また、第一次世界大戦後にロシアに世界初の共産主義政権が誕生したことをきっかけに、お金持ちにも共産主義シンパが生まれていた。ソ連崩壊によって共産主義信仰が破綻した21世紀に生きている我々とは、はっきり時代の雰囲気が異なっていたのです。
加えて、この映画には原作が書かれた当時には意識されていなかった同性愛の問題も盛り込まれています。黒人差別と並んで、現代的な問題を1930年代を舞台とする映画に盛り込んでいるのですが、それがあまり不自然に感じられないんですよね。そこに、ケネス・ブラナーの優れた能力を見て取るべきでしょう。
みかずきさん、こんにちは。
「映画生活」閉鎖後はこちらに投稿するつもりでいたのですが、先日、ある映画にレビューを書いたら削除されました。
それで、filmarksに同じ投稿をしたら、削除されませんでした。
どうもここは検閲が厳しいようだなと思ったので、今後はfilmarksに投稿することになるでしょう。
ご報告まで。
こんばんは。odyssさん。
みかずきです。
あちらのサイトではお世話になりました。
こちらのサイトでも宜しくお願いします。
では、本日はご挨拶までとさせていただきます。
また共感作で交流しましょう。
-以上-