「ポアロの役作りとロケーションを堪能。」ナイル殺人事件 kumiko21さんの映画レビュー(感想・評価)
ポアロの役作りとロケーションを堪能。
まずはモノクロの塹壕シーンから始まる意外さ。1914年、WW I。今日ウクライナの国境線で起きていることが、100年の年月を経ても大差ないことをショックに思う。制作当時には予期しないことであったろうが、、、。
優れた原作はどうしたって面白い映画になる、というのは言い過ぎかもしれないけど、ゴージャスな紀行ミステリー、存分に楽しめた。さらに自分の記憶力の悪さも犯人探しをゼロベースから楽しませてくれる、という事実も。個人的に一番印象に残ったシーンは、ピラミッドを臨んで、優雅にポアロが野外のティータイムを楽しむ(残念ながら中断されてしまうのだけど)ロケーションからのシーケンス。嵐の前の静けさだ。
忘れ難い愛のメモリーと、世界一の探偵である自分を「自分はワーカー」と言い切る皮肉交じりの謙虚さと、捜査の段取りが完璧でなかったばかりに犠牲者を増やしてしまうダメさも持ち合わせた人間ポアロを演じたケネス・ブラナー。『ベスファスト』に期待します!!
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