「パンフレットは美しいナイル周遊ツアー」ナイル殺人事件 シネマディクトさんの映画レビュー(感想・評価)
パンフレットは美しいナイル周遊ツアー
オリエント急行から船に乗り換え、アブシンベル行きのミステリーツアー。美しい風景や船の内装等の美術、衣装デザインは堪能できましたが、ミステリーとしてはイマイチ。78年版は複雑な人間関係や推理を絵解きで見せる謎解きミステリーの秀作だったけど、今回はポワロの過去を含めメロドラマ的要素が強い内容です。そのため、主役の三角関係にフォーカスが当てられ、脇役陣の描写がおざなりになっているので、後半のポワロの尋問や推理が取ってつけたような印象になってしまうのが残念。また、多様化を否定する訳じゃないけど、当時の時代背景や社会状況を考えると、妙に人種に配慮したキャスティングや、唐突なLGBT要素にちょっと違和感を感じました。役者では、見慣れてきたせいか、ケネス・ブラナーが前作よりいい感じですが、なんと言ってもエマ・マッキーがとても綺麗で魅力的でした。前半とイメージが変わるくらいの美しさで、クライマックスが盛り上がりました。
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