「人は愛のために何でもする」ナイル殺人事件 カイトさんの映画レビュー(感想・評価)
人は愛のために何でもする
ケネスブラナー監督のポアロシリーズ2作目。
第一次世界大戦の一幕で始まる本作は頭から予想を裏切られ、完全に心を掴まれた。
ポアロの立派な口髭や本作のテーマである愛について冒頭で描く事で観客に本作の方向性を提示していて、作品に没入できた。
本作も前作同様に個性豊かで怪しげなキャラクターが数多く登場する。特にメインキャラクターであるガルガドット演じるリネットとエママッキー演じるジャクリーンの2人は圧巻で愛情や嫉妬で入り乱れた表情、セリフで作品にとどまらず、観客をも振り回していて、圧倒された。
この2人以外にも魅力的なキャラクター全員に嫉妬や欲望が溢れていて誰しもが犯人になりうるこれぞアガサクリスティといえる上質なミステリーを織り成していた。
本作はキャラクターやミステリーだけでなく、エジプトのピラミッド、アブ・シンベル神殿、ナイル川を舞台に壮大なスケールで体感することができ、満足だった。しかし、少々CG要素が強く、現地の映像で観てみたかったと感じた。
「人は愛のために何でもする」
という本作のテーマ通り、人間の愛や嫉妬、欲深さを丁寧に描いていて最後の最後まで目が離せなかった。
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