「いかに火サスが優れていたか」ナイル殺人事件 Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
いかに火サスが優れていたか
アガサ・クリスティ(1890-1976)
イギリスが誇る
「ミステリー小説の女王」
19歳から小説を書き始め第一次大戦で
薬剤師の助手をしたことで
毒薬の知識を得て
探偵エルキュール・ポアロシリーズ
を執筆し36歳の時のシリーズ3作目
「アクロイド殺し」でブレイク
語り部が犯人と言う意表を突くオチは
論争を呼びその後に最も有名な
「オリエント急行殺人事件」が
発表された
本作は1937年に発表された
「ナイルに死す」を
ケネス・ブラナーや
リドリー・スコットらの製作で
映画化したもの
2017年にもオリエント急行を
同様にリメイクしたがその
続編的な感じ
感想としては
恐ろしくCGがショボかったり
OPの戦争シーンになんでそんなに
凝ったのか不思議なくらい
(1917のセット流用?)
バランスが悪い作品
改変もそんなに必要だったかと
思うしどこを重点的に見せたかった
のか首をかしげる出来と
なっていました
話はロンドン社交界の絶世の美女
リネットが親友ジャクリーンから
たまたま紹介された婚約者サイモンと
恋に落ちジャクリーンを差し置いて
結婚してしまいます
ジャクリーンはストーカーと化し
親族関係者だけを集めた
エジプトの新婚旅行にまで追いかけて
きてリネットは気味悪がります
結婚式に招かれたポアロはサイモンに
相談されジャクリーンを説得しようと
しますが22口径のピストルを
ちらつかせてあの人を殺して
ウチも死ぬかも~と宣言
ドン引きのポアロは夫妻に
ロンドン帰れば?と言いますが
それも受け入れられません
一同はナイル川を辿る汽船に
乗り込みますがジャクリーンは
そこにも追いかけてきて
リネットが自室に寝入った後
サイモンが君とは終わったのだと
挑発するとジャクリーンは発砲
膝を打たれたサイモンは
介抱されジャクリーンも
錯乱したためモルヒネを打たれて
寝かされます
するとこめかみを打たれて
ベッドで絶命しているリネットが・・・
犯人は誰ぞやと思っているうちに
どんどん殺人が起こっていきます
ポワロは容疑者全員に
その人が犯人であったらという過程で
ネチネチ総当たりで追い詰めて
いくのでみんなキレます
結末は最初にあーコイツ犯人か
と思わせておいて違うんでしょう
と思いつつやっぱりそうでした
的な意表の意表を突く感じですが
こじつけくさくなってしまってます
原作は便利なレイス大佐と言う存在が
いたのですがブークと言う事件に
深く関わってしまう親友という
キャラに変えられてしまったのですが
そんなに面白くなった感じもせず
何よりミステリー的展開まで
映画の尺の半分くらい使って
実質さくさく60分くらいで
後半は駆け足で終わってしまう感じは
ちょっと拍子抜け
思えば
火曜サスペンス劇場は100分くらい
たっぷり事件の発生・捜索・推理・
仕切り直し・真相発覚・崖と
ほんと良く出来ていたと思います
たまにBSデジタルとかでやってると
見ちゃいますが途中からでも
そこそこ見やすいし
まあ今作はミステリーとしては
古典だし今更そこを楽しむ映画じゃ
ないだろうと言われればそれまでですが
ありゃ出来良かったんだなと
痛感する次第です