「日本だったら常石教授がテレビに出まくるはず!」EXIT kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
日本だったら常石教授がテレビに出まくるはず!
昨年のドキュメンタリー映画『フリーソロ』も面白かったけど、こちらは完全にフィクション。最近になって流行ってきたボルダリングを活かしたパニック作品となっていました。ハラハラドキドキさせるものの、フィクションだから!という安心感もあったのは確か。ドラマ的にもユナちゃんは可愛いし、チョ・ジョンソクはちょっぴり三枚目という設定も面白い。
『ザ・ミスト』(2018)のような恐ろしい霧。1人の科学者くずれのテロリストが起こしたものだったが、有毒ガスの実態もつかめない恐怖。日本だったら常石教授が各テレビ局によって引っ張りだこになるはずだ。とりあえず上の階に上りヘリの救助を待つしかないといった状況で、家族たちはなんとか救助されるが、ヨンナムとウィジュだけが取り残されてしまう。高層であればあるほど早く救助が来るという皮肉も込められ、『パラサイト』における洪水と同じメッセージさえ伝わってくるのです。就活に苦労するところなんかもそうだし、何気なく屑鉄売り(?)のおじさんもワンカット登場してたりするし・・・。
ビルをよじ登る映画はハリウッドの専売特許のようなイメージがあったけど、韓国映画もやるじゃん!と、素直に感じる。いや、そこはわざわざ隣のビルに飛び移らなくても・・・などというツッコミなんて後回し。というより、スピーディに展開するのでツッコミも忘れてしまうほど。そしてネットやドローンも上手くストーリーに取り入れてるし、エンドロールで成り行きを描いたりもしているし、アクション映画のいいところをいっぱい取り入れてるのです。大満足。
それにしても、ここまで大惨事になっているのに笑いの要素を忘れないのはエラい!