「飛んで登って走ってと縦横無尽に駆け抜ける良質の作品です!」EXIT マツマルさんの映画レビュー(感想・評価)
飛んで登って走ってと縦横無尽に駆け抜ける良質の作品です!
以前から観たかった作品で上映時間がなかなか合わなかったがやっと鑑賞出来ました。
で、感想はと言うと…大当たり!
めちゃくちゃ面白かった♪
良かった。なんとか時間を遣り繰りして観に行って良かったw
こう言う当たりな作品があるからこそ、少し重くなりがちな腰を上げてでも劇場に足を運ぶのが楽しいんですよね♪
とにかくテンポが良い!
ストーリーもシンプルで観ている内にどんどん引き込まれて、手に汗握るスリルとアクションに魅入ってくる。
それでいて、時折見せるコミカルな演出にクスッとさせられて、緩急の使い方がとにかく上手い。
めちゃめちゃクオリティが高い作品です。
物凄く細かい事を言うと…
・そんなに高さが揃ったビルが続くかぁ?とか
・ビルの壁に登る事を想定されたかの様な突起物ってそんなにあるかぁ?とか
・親父達が対岸に行く所の理由がちょっと分かりづらく、何故そこに行く?とか
・毒ガスをまいた犯人も死んでるでよいの?とか
…ぐらい。でもそんなツッコミ所も吹っ飛ばすぐらいの面白さがあります♪
この手のパニック映画は火災をテーマにしたのは沢山ありますが、毒ガスのパニック映画は少ないのではないかなと。
火災以上に無作為に広がり、炎程の圧倒的な絶望感は無くても、じわりじわりと押し寄せてくる怖さは静かにゆっくりと忍び寄せてくる恐ろしさがあります。
それでいて、全てを覆い隠す様に包み込む様は何処か幻想的でもあります。
この手のパニック映画にありがちなお約束な人達もちゃんと用意されているけど、それぞれが腹が立つ程でも無く、亡くなった人の描写も無いのが個人的には良いです。
バイオテロではありますが、その原因追求や犯人探しも殆ど無し。
邦画作品でこの手の作品は脱出と犯人探しの両建てにそこに“実は…”と言った謎解きとどんでん返しも加わり、些か盛り込み過ぎな感じの作品が多いんですが、これぐらいの方がシンプルでストーリーが一本化している方が個人的には好きです。
主人公のチョ・ジョンソク演じるヨンナムは無職で冴えない感じがあったも実は出来る子。
ボルダリングをやっていても優秀な選手だった訳でもないのが共感持てますw
ヒロインのユナ演じるウィジュがとても良い。緩急が上手いです。
ドローンが使われている辺りがネット大国の韓国映画っぽく、またそのドローンが生物的な可愛さがあるのも良い。
韓国映画では定番の一族・家族愛も良い感じ。日本では時折使われても鼻に付く様な演出に感じる時もあるけど、家族愛の強い韓国らしいです。
シリアスでありながら、過度にシリアスにならず、コミカルな感じもあり、何処か青春映画の様な爽やかさもあり。
毒ガスから逃げる為にどんどん場所を移動し、どんどん上に登っていき、遂にタワークレーンの上まで行ってしまうw
もう観てる方がドキドキして、手に汗を掻きまくりましたw
飛んで、登って、走ってと上映時間内に目一杯に駆け抜ける内容はいろんな名作パニック映画に肩を並べるぐらいの面白さです♪
上映館が少なくて、そろそろ上映時間も少なくなってきてますが、時間を遣り繰りして観に行く価値は十分にあります!
絶対お薦めです!