劇場公開日 2021年3月5日

「これこそ今、万人に観てほしい! 新時代のアジアヒロイン冒険譚」ラーヤと龍の王国 丈兄〆さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5これこそ今、万人に観てほしい! 新時代のアジアヒロイン冒険譚

2021年4月5日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

幸せ

久々のアジア系ディズニーで、今はエヴァもあってかそんな話題も聞かんけどとりあえず…とナーメテーターら、
いやいやこれこそ今劇場で、全世界の人が観るべき新時代のハートフルファンタジー名作だった!!
特に”主人公が言い伝えによる1つ1つのミッションを達成してくことで、ゴールへ近づくと同時に、世界や真実・仲間も更に広がり、EDには自身の成長と共に序盤と違う選択肢を選ぶ冒険譚”
といった世界観や展開・そして全曲キャッチ―にして美しい音楽の数々は、
ゼルダやワルキューレの冒険などのアクションADVや、比較的王道RPGなどのゲーム好きにも、終始ワクワクと高揚・鑑賞後には余韻や夢想が止まらなくなる作りではなかろうか!(中盤の赤ちゃんたちとのアクションは、クラッシュ・バンディクー味が凄い笑)
勿論ゲームに疎い人や、純粋に映画を楽しみたいという人たちにも、
侮れないファミリームービーとして、女性が活躍・進出する今日的な設定が、ごく自然に入りつつ、
先述したような古き良き冒険譚の構成も踏襲しつつ、現段階では”今、これこそが次のヒロイン・ヒーローたちに求められるべき選択”という、現在の子供…いや大人も含めた全ての現代人たちへ向けた理想像やメッセージもしっかりアップデートされた、
やっぱり万人に勧めたくなる一作ではなかろうか…!

ただ、そんな魅了された自分でも、
ここは目を瞑るに瞑れない弱点だな…というところもある。
それは『これだけ可能性を感じさせ、魅力も壮大に秘めてるはずの世界を、この映画一本でまとめるには”尺不足”なのが否めない』ということだろう。

共に冒険していく仲間たちの掘り下げや、
各ステージ…ぃゃスポットでのミッション達成に至る緊張感、
そして主人公が最後・感動的に成長する場面を、
よりリアリティを持ち、力強く我々を号泣させるため…などなど、
とにかく全体が『もっと味わえるのに…!』とか『もっと作り込まれたであろうものを見せてくれたら、より好きになるのに…!!』という、
単純に物理的な”時間がかけられたことによる厚み”が足りないゆえ、
厳しく言えば、多くのカタルシスがあっさり削られ、そんなことはないと確信させる作り込みながらも、しかし場合によっては”ご都合的”ともとれる、特に後半になるほど忙しない畳みかけになってしまっていたように感じた。

なので、結論としては、
『今作は映画でやった内容まんまでいいので、改めて連続物(1話30分等)のアニメ化や、なんなら腰を据えて何十時間やるのは必至の”大作ゲーム化”すべき傑作!!』と、
言わざるを得ないのが現状!(某師匠風)

そしてそんな応援すべき今作も、結局何かしらの新作ができるかどうかは、
今回の映画の興行収入もかかわることは間違いないので、
未見の方はとにもかくにも是非、とりわけお子さんをお持ちの全親は、
今すぐ子供と劇場へ駈け込んで、劇場ならではの”シスーの水面昇龍”を、
情操教育として体感させてあげてください!!

ガイムスキー丈兄丸〆