劇場公開日 2021年3月5日

「予定調和、ストーリーに捻りがない」ラーヤと龍の王国 kayamaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0予定調和、ストーリーに捻りがない

2021年3月31日
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楽しい

単純

興奮

もう少し話に動きと奥行きが欲しいところ、
見終わったあと物足りなさを感じる。

キャラクターに深みがなく、作り物の域を出ない。

コンプライアンスが厳しい現在、多方面に配慮しすぎて逆にあからさますぎてうるさすぎるような印象を与える登場人物の設定とその関係性。
前座のショートムービー然り。

(ディズニーはなぜこうも両親が揃った主人公を描かないのか。意識しすぎてるところが逆に差別的で偏見がすぎる。
王子様に守ってもらうだけが女の子じゃないのよ感がハンパない、あからさますぎる強烈アピール。今作に至っては描写の余地すら与えないという。
その他、これでもかというほど見えすぎる製作者の意図が散見され、その都度興醒めしてしまう。
もっとナチュラルに描いてもらいたいところ。)

子ども向けとしては充分。

しかし動きやアクションシーンは非常に見応えがあり、その点だけとってももう一度劇場に足を運んでもよいレベル。

最近流行りの、自分の命をないがしろにすることを美徳かのように扱う他作品に辟易していた自身としては、
本作ヒロインの自分への誓いは心地よく響いた。

自己犠牲の美しさを謳うのではなく、まず自分を大切にする。
そうして初めて本当の意味で他者を大切にすることができる。
それが健全な精神の本来の姿。

また、トランプ政権を皮切りに米中をはじめ世界中がいがみ合い不審に満ち溢れ、コロナ禍でさらに拍車がかかってる現在にぴったりな、
非常にわかりやすいメッセージ性のある作品に仕上がっている。

ぜひこれからの時代の子どもたちはこんな世界観で生きていっていただきたい、とエンディングロールを観ながら漠然と思った。

kayama