劇場公開日 2021年3月5日

「信じるか信じないかはあなたしだい」ラーヤと龍の王国 フリントさんの映画レビュー(感想・評価)

信じるか信じないかはあなたしだい

2021年3月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

玉の破片を探してドラゴンに願いを叶えてもらう話

久しぶりにデズニー映画を見た気がする。
ちなみに吹き替え版で鑑賞。

前座の短編が始まって、あれ?作品間違えたかなと思ったけど、そういえばデズニーってこんな感じだっけなと思い出す。

短編の方の感想
ダンスミュージカルなので、「ラ・ラ・ランド」」感が否めない。
老後の過ごし方とか、気持ちの持ち方とかなんか本編入る前から考えらせられてしまい、始まる前から余計な感情が入ってしまって個人的には残念だった。
前座なんだしもっと気楽なのを見せてくれ。

本編は可もなく不可もなくな印象。
人種差別とか思いやり、信じる力をテーマにしているようだ。
なんだろう、テーマ的に考えると物語のゴールがなんとなく見えて来る。
あとは登場人物とか出来事とかが面白ければいいのだけれど、なんだか全体的に薄味な感じがした。
国を一つにするため色んな部族のところに行くのだが、各部族の掘り下げが足りないため一つ一つの出来事の達成感がない。
あんまり掘り下げてもテンポが悪くなるから難しい所ではあるけれど、子供騙しぽさがぬぐえなかった。

舞台はアジア?ベトナム、カンボジア、タイ、とかなのかな?
中国とも日本とも違うアジアの文化をデズニー風アレンジで描いていて楽しかった。
アクションも東洋武術って感じがちゃんと出ていて流石だなと感心。
でのも一番驚いたのは龍の造形ですね。
狼の顔、蛇の体、鳥の足。
西洋人のイメージするトカゲの進化系ドラゴンとは違い、河を具現化した東洋の龍。
龍をここまで愛嬌よく、親しみやすく、そしてデズニーらしさを無くさずにデザインできるのは凄いと思う。
「千と千尋の神隠し」の白の龍形態以来こんな感じの龍はスクリーン見てないので、世界に龍の姿が認知されるのはちょっと嬉しい。
世界共通規格ディズニーの力、クリエイターのセンスが素晴らしい。

龍のシスーが、空を駆けたり、水に飛び込むシーンなんか軽く鳥肌がたちましたよ。
CGのレベルの高さや細かい演技がホントによかった。
人間状態のシスーがオークワフィナにしか見えなかったけれど、英語版の吹き替えはオークワフィナがやってるんですね、納得でした。
龍だし声は日本語吹き替えだしで、オークワフィナ成分は無いはずなのにその人を連想させるなんて表現力が凄すぎる

昨今の映画作りは自主規制とか男女差別がないようにだとか大変で無難なストーリーになりがち、尖った作品は作り辛い。
デズニーも色々忖度して作ったんだろうなーと思える作品でした。
でもメッセージはわかりやすいし押し付けもなく不満、納得できないような展開ではなかったので好印象だしあらためて上手だなと思いました。
ディズニー越えを目指すゴミ人間の映画も見ましたが、脚本レベルがかなり足りてないようなのでこれからの成長を期待したいですね。

ラーヤと龍の国、この映画を表すとすれば
具材をいっぱい入れたスープは美味い!料理の中で一番うまいかは別だけど。
以上です。

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劇中セリフより

「過去である必要はない」

昔はよかった、で終わらせないでいいものは今に繋げられるようにしていきたいものです。

フリント