「ドウェイン船長探険隊が行く! ディズニージャングルの奥地で見た!伝説の不老不死の花!」ジャングル・クルーズ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ドウェイン船長探険隊が行く! ディズニージャングルの奥地で見た!伝説の不老不死の花!
『パイレーツ・オブ・カリビアン』に続き、ディズニーランドの人気アトラクションを映画化。
しかし、ディズニーランドには遠い昔に1回行ったくらいで、おそらく乗船もしておらず。
元ネタ云々より、ハリウッド往年の冒険活劇を彷彿させる“アトラクション型エンターテイメント”を大いに楽しんだ。
アマゾンの何処かに眠るという伝説の秘宝。不老不死になれる花、“月の涙”。
16世紀のスペイン冒険家アギーレもその花を探すも見つからず、在処を示す矢じりをジャングルの部族長から奪おうとして、呪いをかけられたという…。
が!それは伝説でも迷信でも嘘っぱちでもないとしたら…?
花を手に入れ、医学の進歩の為に発展させたい植物博士のリリーは、学会から矢じりを“拝借”し、いざアマゾンへ!
船をチャーターし、目的地へ向かう。
その船長は、ジャングルを知り尽くす、アマゾンいち頼れる男…?
今風の“エンタメ・アドベンチャー”より昔ながらの“冒険活劇”という言葉の方が本当にぴったり。その醍醐味もたっぷり。
謎と神秘に包まれた秘宝。
矢じりや地図、協力者を元に、徐々に謎と場所が特定され、近付いていく…。
舞台設定は1910年代。前人未到のアマゾン、世界はまだ未知だらけ。
やっぱり冒険モノはこうじゃなきゃ!
ハラハラドキドキ!
迫り来る危機!
それでいてワクワクの連続に皆様をご招待!
冒頭からイギリス・ロンドンで“前菜”アクション!
アマゾン着。難なく出航…とはならない。アマゾン川に現れたのは、何と!せ、潜水艦…!? 序盤の大きな見せ場。
アマゾンと言ったら、危険な生物たち!
ヘビ!ハチ!ピラニア!人を惑わすイルカ! そして、凶暴なジャガー!
あ、でも、ジャガーは…。
アマゾンと言ったら、激流下り! 満点のスリルと暑さ吹き飛ぶような最涼を体感。
(ちなみにどーでもいい事だけど…、地元の映画館では上映せず隣町のシネコンで鑑賞。特に4DXは導入されてなかった筈だが、この激流下りのシーンは座席が響くほどの迫力で、これだけでもわざわざ遠出して観て良かったと思った)
花の秘密を知る先住民の村を、敵が襲来。絶体絶命の危機…!
敵は2勢力。花を手に入れ、世界征服を目論むドイツ帝国の王子、ヨアヒム。目的の為なら手段を選ばない。
呪いで身体中が動植物などでジャングルと同化したアギーレとその仲間。花を手に入れ、呪いを解こうとする。
クライマックスは花を巡って繰り広げられる、激しい争奪戦!
世界を掌握しようとする某国家vs呪われし者たちvs主人公たち…という構図も、何処か『パイレーツ~』を彷彿させる。
話は王道。昔ながらの冒険活劇。
そこに最新VFXを惜しみなく導入し、アクションたっぷり、ユーモアもたっぷり、テンポ良く、退屈させない…いや、退屈する所が無い。
全編、楽しい見せ場!
サスペンスを得意とするジャウム・コレット=セラが、初とも言えるジャンルで上々の手腕を発揮。
秘宝やスリルやアクションもいいけど、本作一番の魅力は何と言っても、我々を冒険へ誘ってくれる主人公キャラたち!
ジャングルの事なら俺に任せとけ!
アマゾンの動植物、先住民や滝の裏側まで、あらゆる“名所”に通じている。
それらを軽快なジョークやダジャレを交えながら。
愛船はオンボロ船…何だって!? 俺の“女神”はアマゾンいちだぜ!
ジャガーも力技で倒しちゃう。決してヤラセやインチキもしてません!
タフで陽気な船長、フランク。
素を見てるような、ドウェイン・ジョンソンの為のハマり役。
いつも不死身のドウェイン。今回は本当に。フランクにはある“秘密”が…。
昔の冒険活劇だったら、男性冒険家が活躍し、女性はあくまでヒロイン的な位置付けで、危機に見舞われ、キャーキャーキャーキャー助けを求めるだけ。
が、本作は違う。
実質の主人公はリリーで、冒険や物語の始まりも彼女。
尽きぬ探求心、恐れを知らぬ行動力の塊。でもカナヅチで、トラブルメーカーでもあり…。
さすがエミリー・ブラント、美貌×実力×アクション×チャーミングの4拍子!
肉体派ドウェインと実力派エミリーという、一見異色の顔合わせ。
しかし、これが相性抜群!
2人のやり取りが最ッ高に楽しい!面白い!
喧嘩して、協力し合って、そして仄かに咲くロマンスの花…。
本当にこれら、昔の冒険活劇そのもの!
冒険の同行者。
英コメディアン、ジャック・ホワイトホール演じるリリーの弟、マクレガー。
設定上同性愛者で、その描かれ方について批判あるらしいが、自身の生き方をフランクに吐露するシーン、マクレガーがリリーの無理に付き合うのは彼を心広く受け入れてくれるから、そして冒険を通じてタフになっていく。
船にはもう一人…いや、もう“一頭”。
各々ナイスキャラ。
実は、ある“嘘”を付いているフランク。
しょーもない嘘の連続に怒り爆発のリリーだが、それがある“秘密”を隠す為だった事を知る。
陽気だけどインチキ野郎。でもその真実は、悲しい秘密に“呪われ”…。
長年探し続けても、探し出せなかった。
広大なアマゾン。とてもとても一人では無理。
仲間がいれば。
信じる。
信じられる。
探し出したその先に、秘宝以上の大切な世界や存在がある。
コロナで今、ディズニーランドも無理。
コロナでなくともアマゾンで気軽に冒険なんて無理。
彼らと共に“映画館”という船に乗って、“ジャングル・クルーズ”という夏にぴったりの冒険へ出発!