Awayのレビュー・感想・評価
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ピヨ🐤
「FLOW」を観る前に同監督による初長編アニメを鑑賞。これを一人で作ったなんて、正気の沙汰ではないな…。
始まった瞬間、どっかで見たことあるような…こういうタッチの絵のゲームありませんでしたっけ?のぺっとした塗りのシンプルな造形のキャラクター達。キャラクター達と言っても出てくるのは「人(1人)」「鳥」「……四本脚の動物(笑)」「亀」「猫」こんなもんでしたっけか。あ、あと「巨神兵」ね。
そう、この巨神兵がなかなかの曲者で。この巨神兵が一つの舞台装置となって、主人公を動かしていきます。旅をするきっかけも、何かをする動機づけも、だいたいこいつ。巨神兵がいなかったらほのぼのロードムービーといったところですが、こいつのおかげで緊張感が生まれ、なにより作品に哲学的な考察を生み出しています。
ジブリでいうところの「シシ神様」ポジの巨神兵がもたらす「死」とは。なぜ冒頭食べられた(?)主人公は生きているのか。終盤取り込まれた時とどう違うのか。冒頭ではまだ例の鳥はいなかった。そもそもこの世界は死後の世界なのか?少年の精神の暗喩なのか?世紀末ヒャッハー後の世界なのか?考察が非常に楽しい作品ではありますが、これといった答えは決めず、各々が感じたままでいいのかなぁ、と思います。
シンプルでありながら、非常に印象的なカットが多いです。煙を上げながら飛んでいく飛行機。ぐるぐる斜面を登り降りするニャンコ達。鏡の湖を鳥の大群と走るバイク(名シーン!)。石のゲート。ピヨちゃん。ピヨ。
「FLOW」の予習として観ましたが、素晴らしい映像と音楽、そして独特の世界観に引き込まれる作品でした。
81分間飽きさせないで魅せる凄い力量の映像作家
ロードムービーのアニメーション。
期待よりも遥かに面白かった。名作。
先日、「Flow」でアカデミー賞のアニメーション部門を受賞したギンツ・ジルバロディス監督の作品。
1人で監督・製作・編集・音楽などを担い、3年半をかけて完成させたアニメーション。
効果音はあるが、台詞は一切ない。
それで81分間、飽きさせないで魅せるのだから、凄い力量の映像作家だと思いました。
生と死をめぐる壮大でかつミニマムな寓話
ラトビアのクリエイター、ギンツ・ジルバロディスが独力で製作したアニメーション映画。
パラシュートで木に引っ掛かり目覚めた青年。
彼が気づいた周辺では草花が繁茂し、生命を謳歌している。
が、少し離れた石造りのアーチ状のゲートのところでは、得体のしれない黒い巨人が立って、見張っているようにみえる。
パラシュートから降りた少年は、近くで発見したオートバイと地図の入った雑嚢を頼りに、いまいるところが島で、北に何かへ通じる道があることを知る・・・
といったところからはじまる物語で、全編セリフを排したCGアニメーション。
物語は「禁断のオアシス」「鏡の湖」「眠りの井戸」「雲の港」と名付けられた4つの章に分かれて展開します。
セリフがないので細部は観る側の想像に任せているだろうけれど、おおむね次のとおりでしょう。
少年は、ひとり、飛行機事故で命のたすかった少年であること(途中でわかります)。
ゲートの近くにいる黒い巨人は、「死」そのものであること。
少年が目指す島の北端は、「生」そのものであること。
基本的に、ここまでのところは明確であるけれども、細部の解釈は異なるかもしれません。
それを踏まえて、個人的な解釈です(ストーリーを解説しているわけではないので、ご了承ください)。
序盤で、少年と出会う黄色い小鳥は、少年の生命の暗喩であること。
島を飛び交う白い鳥は、飛行機事故の犠牲者たちの魂であること。
このふたつはたぶん誤りではないと思うので、さらに解釈すると
「禁断のオアシス」は、なにがしらの生命の地であること(ただし、いま生きている命の地ではないかもしれない)。
なにがしらかの生命の源は「眠りの井戸」の泉であろうこと。
その泉の水を飲む黒猫たちは、飛行機事故の犠牲者の暗喩であること。
(生命の泉ではあるが、生きようと思っているひとに対してと、死んでしまうだろうな(もしくは死んでしまった)ひとへの効果が異なるのかわかりませんが)
眠って目覚めてを繰り返す黒猫たちの輪から逃れた少年は、最終的に、雲の港にたどり着く直前に遭遇する瀕死の少年の命を助けるのが、水筒からこぼれ出た泉の水なので、少し解釈が難しいです。
と、いわば、このアニメーション映画は「生と死をめぐる壮大でかつミニマムな寓話」なので、どのように感じるかは観る側にゆだねられているのかもしれません。
なお、本編終了後に、日本側で映像を再編集したエンディングが加えられています。
本編のテイストとかなり異なり、ジョン・ミリアズ監督『ビッグ・ウエンズデイ』や、ピーター・メダック監督『チェンジリング』を観たときと同じく「余計なことを・・・」と感じましたが、日本版エンディングに監督がメッセージを寄せていますので、これはこれでありなのかもしれませんね。
ゲームのような作品
率直に思ったのはゲームのような作品だなぁと言った印象。映像美なんかもそうだが、主人公以外の人間は登場せずセリフもない為一つ一つ目に映るものを自分なりに処理して次へ次へと進む楽しさは序盤はあった。
ただそれ以上に作品自体の魅力を感じられなかった。
飛行機事故で脱出を成功したの主人公ということ、あの影の巨人は生きる気力のようなものを具現化したようなものなのかなと自分なりに解釈して見ていたが、そもそもそれはそれで魅力は感じられず。
この辺は自分の想像力の乏しさが作品とマッチしなかったんだろう。あまり自分好みのタイプの作品ではなかった。
触れ込みの高評価は一旦忘れ、ハードルは低く
感覚で見る作品です。
途中伏線のようなヒントのようなものもいくつか出ますが明確な説明はされません。
各自勝手に想像するしかない内容です。
色々モヤモヤする所が多いですが絵は綺麗でした。
最後に会ったのが人なのか黒い巨人の仲間なのか、気になるなー。
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