「何ともあり得そうな話」オフィーリア 奪われた王国 JYARIさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5何ともあり得そうな話

2023年1月22日
iPhoneアプリから投稿

ほとんどが原作通りに進むが、ハムレットとオフィーリアが密通し愛し合っていた、という話。

キャラクターとしては、妃の姉が追加されている。
原作の裏話としてオフィーリアの恋路が進むので、実にあり得る話となっている。
(こちらを正式な解釈としても通じそうな)

しかし、終盤あたりで、オフィーリアが川で死んだのが、仮死状態だったと言うのは、いかがだろうか。
おそらく「ロミオとジュリエット」から持ってきているであろうこのアイデアは、得策と言えるのか。
さらに、ハムレットは決闘するといい出すので、オフィーリアは国から解放されるように出ていく。
どんどん現実味に欠ける展開が続くように感じた。

現代における脚色としては素晴らしいし、何より女性の力を感じた。
オフィーリアは、復讐を断ち切り、一人で生きていくことを証明した。
また、妃も自らの手で、クローディアスを刺した。
女性たちは、苦しんできた分、立ち向かった。
「最後の決闘裁判」にも近しいラストシーンは、現代における女性の在り方を強く示していた。

ただし、今作のオフィーリアが原作のオフィーリアとあまりにも掛け離れて造形され、ちょっとオフィーリアだとは信じがたかった。
(原作から何か見逃しているのかもしれないけれど)

デイジー・リドリーはどういう道を歩むんでしょうね。
今回のような強く自立した女性を演じていくんでしょうか。
あとナオミ・ワッツの演技が光ってたなー。
特に最後の方、素晴らしい怪演でした。

JYARI