「唐突感があるが、シリーズ全体のできがいいので人気が出たと思う」劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 荒川光線さんの映画レビュー(感想・評価)
唐突感があるが、シリーズ全体のできがいいので人気が出たと思う
空前のヒットを飛ばした今作、但しエピソードの1つであり、鑑賞当時原作を読んでいなかった(現在は全巻読んでいる)ことから、突然このエピソードが出てきて唐突感があった。
つまり作中では炭治郎やその仲間たちがどういう人物でということは分からなかった。
たまたまその直前にテレビSPで、アニメ版第1話からのダイジェスト放送があったので、キャラクターがどういう生い立ちなのかはわかったが。
本シリーズではファンタジーという虚構でリアリティというのはある程度無視されているが、設定が練り込まれており、特に人物の過去の描写はさすがなところ。
人気が出るのも頷ける。
ただ今作の「無限列車編」では、魘夢はただただ狡猾で非道な人間いや鬼であり、突然出てきた猗窩座の過去はこの時点では明かされていない。
そういう意味では人物描写と言うよりは、エンタメ性に重点を置いた作品であり、そういう意味では物足りなかった。個人的には那田蜘蛛山編が好きだ。
なお、無粋を覚悟に言えば、無限列車の客車が大正ではなく昭和後期に登場した50系客車をベースに作られているのではないかと言うこと。
原作では割とその当時の客車風に書かれているし、資料がないというのなら明治村のSLに牽かれている客車が明治末期製なのでこれをベースに作った方が良かった気がするが。
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