「【鬼滅のカタルシス】」劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【鬼滅のカタルシス】
この物語が他のアクション系の漫画(アニメ)と一線を画すのは多様に呼び起こされるカタルシスだと思う。
そして、僕は、この物語は、実は結構奥が深いと思って、読んだり、観たりしている。
たかが漫画やアニメと言う人もいるかもしれないが、そうなのだ。
カタルシスとは、悲劇によって呼び起こされる恐れや憐みの感情が情緒を解放して、ある種の快感のような感覚を覚えることだ。
勧善懲悪的な歓喜や高揚感などを伴うと思っている人もいるとは思うが、そうではない。
内面の浄化による快感を指すものなのだ。
ロミオとジュリエットを観て、ロミオやジュリエットが憑依して(笑)、悲しんで泣いて、そしてスッキリするというのは、カタルシスだ。
煉獄杏寿郎の死で快感を得るのではない。
その死を悲しみ、心が揺さぶられ、その物語の意味するところに感じ入って、場合によっては自分自身に重ねて得られる感情や感覚のことだ。
鬼滅の刃の登場人物の多くはキャラが立っていて笑える。
しかし、物語全体は、仲間の死だけではなく、人間の弱さ、鬼の悲哀や。絶対的支配者である鬼舞辻無惨への恐れを細かく丁寧に描き、禰豆子以外の家族を鬼に惨殺された炭治郎も復讐心というより、強い鬼を克服すべきものとして捉えたり、時には同情的だったり、そして、鬼に大切な人を殺された鬼殺隊の柱や、ネグレクトから逃れた隊士等の心の揺れ、無限列車編では不幸の中でも夢を見ることを欲する人間の儚さまでも描いて、実は、不穏な時代(大正時代には第一次世界大戦や関東大震災が起こり、昭和に入ると日本は日中戦争から太平洋戦争に突き動かされる)にあって翻弄される人々が、鬼や隊士に例えられているのではないかとさえ思えてくるのだ。
そして、これは現代にも通じる。
もがき苦しむ隊士。
そして、鬼も。
終わりの見えない、この戦いは、やはり悲劇だ。
そして、僕達がこの物語に何を見るのか。
無限列車編に続く物語にも悲哀や自己犠牲、仲間を失う悲しみなどが描かれ、僕達のカタルシスを呼び覚ましていく。
このカタルシスの沼にハマったら最後…多分、大人買いが待っている。
復讐心で人がダークサイドに落ちてしまうといった物語とは異なる、ちょっと奥の深い世界が待っているのだ。
すごく分かりやすいし、映像も綺麗で良かったです。
これまでの特別編集版?は観たのですが、ローカルで過去作をまた一話ずつ放送するようなので、観ようかなぁと。
テレビ見ました!
話題作だから見とくか、と寝転がりながら見始めて2時間後には正座&まさかの泣き。LiSAさんの歌声と歌詞が追い打ちをかけてさらにうるうる、そして終わったところで録画してないと気づき呆然なうです。
今晩は
観ました。
この作品の内容に関する予備知識を全く入れずに・・。
結果、作品が醸し出す非常に蠱惑的な世界観が魅力的で魅入られ(特に後半)、鑑賞後 ”この状態で、本屋に行くとまずいなあ・・。全22巻かあ、微妙な巻数だなあ・・。”などと不穏な考えがムクムクと込み上げてきているNOBUです。
”絶対、買わないぞ!”と思いつつ・・。
では、又。