「とことん心に痛い作品」はるヲうるひと 蜷川吝塀さんの映画レビュー(感想・評価)
とことん心に痛い作品
2024/6/14〜06/16までの間で観ました。
日陰で生きる人達のリアルが垣間見える稀有な作品です。キャストの人選も去ることながら、メインキャストの演技力は目を見張るものがありました。
序盤の登場から終盤までの間、佐藤二朗扮する哲雄の存在感は他を圧倒するものがありますが、得太、純子、峯、さつみ、いぶきらの見せ場もキチンと用意されていて、哲雄とのバランスが絶妙にとれています。
登場人物が軒並み痛い人達で、本作はエンドロールまでの間、多くの物事は解決しません。なのに明らかな変化を感じられるのは何故でしょう。暗がりに光が差すような、澱んだ場所に爽やかな風が吹き抜けるような気持ちになりました。
概ね胸が締め付けられ、胸糞悪くなる内容ですが救いがあり、好みは分かれるカテゴリーですが、色々と考えさせられる作品です。
映画館で観るよりも、自宅でひとりで観るのに適した内容です。
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