「鼻くそに愛はある…」はるヲうるひと ケイさんの映画レビュー(感想・評価)
鼻くそに愛はある…
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伊勢志摩サミットが開催される際には無くなったとされる三重県の売春島渡鹿野島をイメージしたと思われる。簡単には抜け出せない、行くあてもない島の置屋の女たちと使用人、取り仕切る男の物語。女たちも若くて綺麗とは描かず、生々しく、生活感があり、かなりリアル。使用人である山田孝之の手の絆創膏や爪の垢も真っ黒で、かなりリアル。置屋を取り仕切る佐藤二朗は女たちを真っ当以下、鼻くそと見下しながら、何食わぬ顔で女に奉仕させ、暴力で支配する極悪非道、下劣な男を演じている。島には売春以外、産業や何の観光資源もない中で、原発反対をし、政府から金を貰おうと駆け引きする島民たちも描かれている。抜け出したくても抜け出せない、真っ当に生きることができない、何者にもなれないという絶望感の中でもただひたすら生きるために生活していく、ラストも、何か解決したわけではないが、普通に明日は来て、生活は続いていくという終わり方に感じる。客であるミャンマー人の一言がかなり笑えて、要所要所のツボ、佐藤二朗らしい演出だと思う。
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