「佐藤二朗と山田孝之の役者魂に拍手」はるヲうるひと さくらんさんの映画レビュー(感想・評価)
佐藤二朗と山田孝之の役者魂に拍手
佐藤二朗さん、ただのおもしろオヤジではなかったのですね。あの冷酷非道、血が通ってる人間とは思えない言動、スゴかった、悍ましかった。
口ではいいこと言ってんのかと思いきや、突然の豹変。めちゃめちゃ怖すぎました。
あー、この方、アル中、DV夫、ダウナー系の役、めっちゃハマるんだなと、新たな発見です!
山田孝之も3年ぶりぐらいにくる重ーい役って仰ってた通りの、底辺も底辺、本当にクソの役でした。
彼の作品、いろいろ観てますが、あそこまで生きている意味何?みたいな役は初めてかもです。
相当、辛かったみたいですね、あの気持ちを保つって、一日中泣いてる日もあったって言ってましたね。
抱えているものが重すぎて、つぶされそうだったけど、お父さんとの約束を頑なに守って、病気がちな妹をいつも守って、必死にひたすら客引きをして毎日生きてきた得太。哲雄と対峙するシーンの緊迫感はさすがでした。
置き屋の女郎たちも、そこに女を買いに来る男たち、そこには何一つの光さえもない。ただの色欲が蠢く空間。作品中、ただ一つだけあった一点の花は、同じように女を買いに来た1人の客、向井理。
住む世界が違う男の輝き。やってることは同じなのに、そこにいる存在の違和感はなんだろう。
そして、唯一言える確かなことは、得太といぶきの母親、哲雄の母親もそれぞれ自分の子供を心から愛していたということです。
NOBUさん
コメントありがとうございます。
そうですね。哲雄も確かに黒髪の美しい母をいつまでも愛し続けていたんでしょうね。
この作品の中に、本当の愛はいくつかあったんだなと改めて思いました。
今晩は
”そして、唯一言える確かなことは、得太といぶきの母親は2人を心から愛していたということです。”
私が、レビューを書いた際に、この言葉が出て来なかったです・・。映画ではキチンと描かれていたのに。
この映画の本質を捉えた、的確なコメントだと思いました。
そして、”テツオも母を愛していたからこその、狂気に走ってしまった男だったのかもなあ・・”とも思いました。
仰る通り、各役者さんの演技にも魅入られました。