「軽快な内容だけど、発想の面白さが最後まで持続するミステリー。」ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密 yuiさんの映画レビュー(感想・評価)
軽快な内容だけど、発想の面白さが最後まで持続するミステリー。
冒頭、かなり急ぎ足で主要人物が登場するので、字幕を追っかけつつ人物関係を整理するのが大変な人も多そうです。ただ中盤にかけての人物描写がかなり丁寧なので、自然に関係が理解できるようになっています(ある重要人物の位置づけが理解できず、最後までもやもやするところもありましたが…)。
悪魔的なトリックを仕掛ける犯罪者や、天才的な頭脳を備えた探偵に頼らないライアン・ジョンソンの脚本は見事でした(ダニエル・クレイグ扮する探偵は厳つそうで、どこか危なっかしい)。本作の、全編に漂う軽快な調子をかつて何かの作品で体験したことがあるな、と思い起こしてみたら、遙か昔に観た『殺人ゲームへの招待』(1985)でした。するとジョンソン監督が本作の製作に当たって参考にした映画の一つとして、この作品を挙げていたので、やはり、と思いました。
それぞれの人物の服装センスや、調度品、小物を眺めているだけでも楽しめる作品です。ご丁寧にも広角レンズを多用して隅々まで見せてくれる場面が多いので、目移りするかも知れませんが。
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