「心理師の力量がすごい」プリズン・サークル ミツバチば~やさんの映画レビュー(感想・評価)
心理師の力量がすごい
人に話を聞いてもらうことの大切さ。
人と触れ合うことの大切さ。
ここに出てくる受刑者たちは、児童虐待を受けて育っている。
虐待を受けたら、犯罪者になるとか、障害があったら犯罪者になりやすいとか、そういうモノサシの話ではないけれど、彼らが語る幼少期の話は過酷だ。
いじめを受けたり、暴力を見て育つと、どこか感情が止まってしまうのだということが、彼らの言葉から証明されているようで。
TCと言われる手法には、エンカウンターやゲシュタルト、ピアカウンセリングなど様々な心理療法が盛り込まれている。
そのどれもが素晴らしく高度な技法で進められている。正直、受刑者同士でこんなにも深く語り合えるものなのか、疑問にすら思ってしまうが、これはドキュメンタリー。真実を映し出しているのだと思う。
犯罪を犯す前に、話を聴く人がいたら。
誰かを傷つける前に、自分の傷つきを癒せたら。
「痛いとか、寒いとかは感じるのに、自分の感情を語ることができないことに泣きたくなる」
それを言えるまでになれたことが、素晴らしい。
心理を志す方々に、ぜひ観てほしい。
人の心を聴くことや、虐待、いじめを受けた子どもたちに、どう向き合うのか。
何かヒントが見つかるのではないかと念じずにはいられない。
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