劇場公開日 2020年2月1日

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淪落の人のレビュー・感想・評価

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4.5クソありがとうな気分

2020年2月12日
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鑑賞方法:映画館

下半身が麻痺している中年男性のもとで家政婦として働くことになったフィリピン人女性。初めは意思疎通もままならなかったが徐々に心を通い合わせるようになるという話。
ありがちといえばありがちな展開かもしれないが、まんまと泣かされてしまった。正直最後は駆け足な感じだったので、結局どういうことなのか若干曖昧だったりする。でもそんなこと関係ないと思えるほどうまくまとまった話だった。脚本も2人の演技も素晴らしい。
よかったのが、2人それぞれの目線で描こうとしているところ。香港在住フィリピン人家政婦の友人たちが教えてくれる裏技、障害者として夢も希望をなくしている心情、お互いの家族との関係、そういったところを丁寧に描くことでどちらにも感情移入できるようになっている。これがとてもうまい。
さて、どちらに感情移入して観てしまうのか。私はもちろんおじさん側。どんな状況でも夢や希望を持った方がいいなと思ってしまった。なんだよ、ちくしょー、クソありがとうだよ!

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kenshuchu

4.5小さな思いやりの積み重ね

2020年2月7日
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鑑賞方法:映画館

生きていく、夢を叶える。
私の中で相反する2つは、スクリーンの中で2人の小さな思いやりの積み重ねによって動き出す。

生活するだけにとらわれない生き方を教えてくれるこの物語に、たまに忘れてしまう真摯で優しさに溢れた気持ちを奮い立たせたくなった。

コツコツと思いやる気持ちを積み重ねる様な、日々自分に恥ずかしくない生活をイメージした。

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パプリカ

4.5泣けて泣けて泣きつかれる。

2020年2月4日
Androidアプリから投稿

泣けて泣けて泣きつかれる。

津川雅彦と勝新太郎を足して2で割ったような香港の俳優さんのちょっとしたしぐさ、台詞がしみる。

誰しも抱える現実は重い。

やさしくされたぬくもりの記憶と人の苦しさを想像する心の余裕がほしい。きっと誰もが求めている。

台詞がかすかに強くて、そして美しい。

作品のはじめ、重すぎる現実に表情の固まったふたりが出会う。それがどんどん変わっていく。

台詞のことばに響くように二人が、いや登場する人たちみんなが力強く、美しくなる。

ヒロインもほんとに美しい。老境のはじまりの彼は間違いなく香港の名優、いや顔だろう。

素晴らしい作品。

この作品の、こんな人との出会いをしてみたい。

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エク

4.5全員100人の中の1人

2020年2月2日
Androidアプリから投稿

泣ける

興奮

幸せ

事故で両腕から下がマヒした香港在住のおっさんと、フィリピン出身訳あり家政婦の交流の話。

広東語が通じずモンクたらたらながら、介助が必須で半分弱味につけ込まれた主人公が、彼女を雇いことが起きていくストーリー。

メンドウなキャラだけど「心」を感じるクサ~いおっさんと、根はマジメでやり取りにも見え隠れする不器用さだけど真面目で「心」を感じるフィリピーナちゃん。

みえみえコテコテの関係ながら、恋愛とは違う交流と優しさと愛情と立場。
そこから来るお節介さが良い意味で刺さり捲るし、なんなら邪魔にも感じた香港家政婦仲間も素晴らしいし、まんまと泣かされ捲りました。

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Bacchus

4.0やさしい人びと

2020年1月15日
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鑑賞方法:試写会

みんながやさしい、しあわせ映画。
淪落というのは「落ちぶれる」という意味だそうだ。大阪アジアン映画祭での邦題は「みじめな人」。
最初に映るアンソニー・ウォンの表情は無だ。まさに何もない人。虚無。
そして彼の元にやってくるフィリピン人家政婦のエブリンも、傷つき、疲れている。
「みじめな人びと」であり、そして言葉も通じ合わないふたりが徐々に心を通じ合わせていく様が、四季を通して描かれる。
ただただ皆やさしい。怖い顔したアンソニー・ウォンは、面倒見がよい親方で、限りなくやさしい父親。事故の絶望が覆い隠していた彼の本質が顕になってゆくのが、観ていて嬉しい。
そしてエブリンは、自分の境遇に負けない人。闘う人。そしてまた彼女も、傷つきながらも限りなくやさしい。
やさしさとやさしさを足すと、もっとやさしさが生まれる。彼は彼女の夢を助けることを、自分の夢とする。そして彼女はそれに応えようとする。
勿論、厳しく悲しいエピソードもたくさんある。でもそれもやさしい。フィリピン人家政婦さんコミュ二ティの段ボール上オフ会。「あくまで仕事」と割り切っていた筈なのに、雇い主が亡くなって号泣するフィリピン人友だち。喫緊のお金の為にエブリンがしてしまったこと。それを許し、彼女の母親に啖呵をきるチョンウォン。
ツンにしか見えない妹もやさしいし、やさしい父親が育てた息子は、離れていても、新しい家族が居てもちゃんと息子。
そして忘れてはいけない、いちばんの隠れやさしい男、サム・リー演じるファイ。スープ作ったり、一緒にAVマラソンしたり、話し相手になって。彼が実のところダントツにやさしい。彼のやさしさが報われた、というのも変だけど、でもやっぱり報われてよかったなあと思う。
綺麗すぎるのかもしれないけれど、でもやっぱりこういう「やさしい世界」を信じてみたいなあと思う。厳しい世界を見るのも大事だけれど、やさしい世界を見ると、自分もやさしくなりたくなる。
カット割りが綺麗で、美を見せつけない、あくまでさりげない構図の美をあちこちのシーンで感じた。
ノーギャラで出演したという、アンソニー・ウォンのすべてが素晴らしかったですね。表情といい抑揚といい。彼こそがやさしい世界の表現者。

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andhyphen

5.0#03 観るべき映画

2020年1月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

香港映画で今までこんな心が洗われる映画はなかった。
Aウォンさんが本当に上手い!
そしてフィリピン人メイドさんの日常を描く視点が凄い。
人間として扱わなれてない感のするメイドさん達は、日曜日の香港に行くと大きな公園に大量にたむろしてて、一体何をしているのか不思議だったけど、こんな風に雇い主や働き方について語り合っているのね。
あと香港の福祉レベルが垣間見られるのも良い。

香港映画に偏見持ってる人なら尚更見て欲しい一本。

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chicarica