帰郷のレビュー・感想・評価
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蝉の声
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もし蝉が鳴いてなかったら、宇之吉は木曽福島に帰っていたのだろうか。
最近の時代劇には、効率だとか、バランスシートだとか現代にも通じるようなテーマが持ち込まれて、なんかスッキリ楽しめないなと思っていたので、藤沢周平作品、期待して鑑賞に行きました。
ストーリーも予想のつく展開だけど、俳優陣の存在感、演技も期待通り。
おとしの幻影に苦しむ宇之吉は、おくみを助けながらも自らの死に場所を得られず、更に死に場所を求めて旅するのだろうか。
日本人の原風景を見るようで、楽しめる作品でした。
序盤に映し出される雪渓を見て、山歩きが好きだった、亡くなった自分の父親が、雪渓の大きさや形を見て、どこの山菜が取れ頃だとか、判断するのだと言っていたことを思い出しました。
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無宿渡世の老烏、最期の大勝負!
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期間限定上映で鑑賞。
原作は未読です。
まさに名優の貫禄―。
仲代達矢の集大成のような演技に引き込まれました。
格調高き時代劇の素晴らしさも味わえました。
自らの死を悟った老渡世人が、30年ぶりに帰郷したことから始まった、己が人生の総決算。過去の遺恨と贖罪、そしてこれからを生きる者たちのために仕掛けた大勝負の行方とは…。
帰るべき場所、そして死に場所。もしかしたら表裏一体で、詰まるところ、最後に命を懸けてでも守るべきものとは何か、と云う問い掛けが心に沁みて来ました。
主人公の気持ちを理解出来るようになるまでにはまだまだ時間が掛かりそうですが、その境地へ辿り着けるようにこれからを生きていかなきゃな、と思いました。
※鑑賞記録
2021/01/02:KBS京都「新春シアタースペシャル」(2回目)
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