劇場公開日 2020年1月17日

帰郷のレビュー・感想・評価

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4.5蝉がないてなければ

ワンコさん
2020年1月19日
iPhoneアプリから投稿

「蝉がないてなければ」
蝉の鳴き声は、日本の汗ばむ夏の象徴のようなものだ。
蝉がないてなければ、宇之吉は木曽福島に帰っていたのだろうか。

最近は、時代劇にもサラリーマン社会の効率とか、バランスシートとかいう視点が持ち込まれて、僕は心から気持ちよく楽しめないなあと思っていたので、藤沢周平作品、期待して観に行きました。

まあ、予想どおり、日本独特の、単純な勧善懲悪とはいかないストーリーも宜しく、余計なことを考えず、僕は
リラックスして楽しめました。

冒頭の春の雪渓の場面を観て、亡くなった僕の父親が、山歩きが好きで、春の雪渓の大きさや形で、どこどこの山菜が取れごろだとか言っていたのを思い出しました。昔の人の知恵ですね。

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ワンコ

4.5命は人のために使うんだ!

kossyさん
2020年1月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 藤沢周平原作だなんて、聞かなければ全くわからないのです。正直なところ、藤沢作品は読んだことがないのですが、映像化された作品で知る限りは山形の小藩を舞台に武士が主人公であるものが多いということ。それなのに今作は武士ではなく、渡世人・ヤクザが主人公なのです。

 渡世人という設定を意識してか、乱闘シーンや殺陣も全く違ったものになっています。剣道を基本としたものではなく、チャンバラみたいに自由に刀を振り回し、バックハンドみたいに斬る座頭市みたいな雰囲気。木枯し紋次郎に出てくる殺陣なんかもそうでした。と考えてたら、敵の親分が中村敦夫じゃござんせんか。「あっしは・・・」などと台詞が聞けそうな雰囲気です。

 時代劇専門チャンネルが製作した8K映像が圧巻!とはいえ、舞台となるのが3分の2以上暗闇か建物の中という暗い映像が中心。ところが、この暗闇なのに粒子も粗くならずに綺麗に見えるのが特徴と言えるのだろうか。圧巻とまではいきませんが、こんな暗闇なのに隅々まで見える驚きがありました。暗い部屋の中での殺陣で思い出すのは『たそがれ清兵衛』。しかし、やっぱり8Kには敵わない。昔はこんな暗いのが普通だったんだろうなぁ。

 あらすじだけ読んでもストーリーは想像がつく。かつて結婚を約束していた女お秋(前田亜季)に「3年待ってくれ」と懇願し、故郷を離れた宇之吉(北村一輝)。結局は焼津(?)の親分のところに下駄を預け、兄貴分のところで世話になっていたが、(詳しくはネタバレになるので伏せますが)結局3年どころか30年も経ってしまったのだ。そして余命もあと僅かと悟った宇之吉(仲代達矢)は故郷を目指すのだった。

 独り言をはじめ、台詞がどれもこれも渋みがあってカッコ良すぎの仲代さん。とはいえ、彼の歩んできた人生は間違いだらけで自責の念に縛られてもいる。どうせ長くない余生を若き者たちのために活かそうとする老人なのだ。そして因縁の対決シーンは丁半賭博。相手は宇之吉だと気づいてないほど、落ちぶれているのに、女好きの面だけは若かりしときと同じ。勝負の緊迫感はカイジどころじゃありません。とにかく、勝負は命そのものを賭ける気迫。

 そして女優陣の色気がたまらなくいい。また、常盤貴子の強さと弱さの両面を使い分けるところもいい。木曽福島という独特の山岳信仰という世界観もしみじみ伝わってくるし、ちょっとしたコミカルな部分も冴えていた。佐藤二朗もなかなか良かったですよ。

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kossy

4.0無宿渡世の老烏、最期の大勝負

syu32さん
2020年1月18日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

 期間限定上映で鑑賞。

 原作は未読です。

 まさに名優の貫禄―。
 仲代達矢の集大成のような演技に引き込まれました。
 格調高き時代劇の素晴らしさも味わえました。

 自らの死を悟った老渡世人が、30年振りに帰郷したことから始まった、己が人生の総決算。過去の遺恨と贖罪、そしてこれからを生きる者たちのために仕掛けた大勝負の行方とは…。

 帰るべき場所、そして死に場所―。もしかしたら表裏一体で、詰まるところ、最後に命を懸けてでも守るべきものとは何か、という問い掛けが心に沁みて来ました。主人公の気持ちを理解できるようになるまでは、まだまだ時間が掛かりそうですが、そこへ辿り着けるように生きていかなくちゃ…。

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syu32
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