劇場公開日 2020年1月17日

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帰郷のレビュー・感想・評価

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2.5なんか、全てにおいて中途半端

2022年10月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

親分の罪を身代わりとなって背負い、故郷を離れた博奕打ちの宇之吉は、死が近づいた事を察し、30年ぶりに故郷の木曾福島に戻ってきた。そこで、10数人の男たちを相手に1人で対峙してた源太という男と出会った。源太を追い詰めていたのは、宇之吉のかつての兄弟分だった九蔵の手下たちだった。九蔵は妾にと目をつけていたおくみと源太が良い仲だったことから、2人の仲を引き裂こうとしていた。そんな時、幼なじみの佐一と再会した宇之吉は、おくみの父親が・・・てな話。

うーん、イマイチだったかなぁ。
殺陣の見所が有るわけじゃなく、何もしてないのに追われてる、という訳でもない。
字を教えてくれた恩人夫婦を殺めている時点で主人公に感情移入出来ない。
何もかも中途半端でスッキリしなかった。
常盤貴子が好きなら良いけど、個人的にはそうでもないから・・・あ、前田亜希は可愛かった。

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りあの

2.5渡世人の里帰り

2020年2月9日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

30年ぶりに故郷に戻ってきた主人公(仲代達矢)、親分の罪をかぶり逃げ出していたのだが、ほとぼりもさめていた。
村で見かけた女(常盤貴子)は流れ者の男(緒形直人)と恋仲だったが、この女にいい年をした親分(中村敦夫)が横恋慕・・・。
原作は藤沢周平、歳をとっても救い難い男はいるもんだ。

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いやよセブン

0.5俳優の無駄遣い…

2020年2月9日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ストーリー、キャラの行動などが不自然すぎて物語に集中できません。主要登場人物誰にも共感出来ませんでした。
映像を見ための映画なんだろうと思います。

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バニラ豆66

1.0人の情に慣れていなくてな。重いのよ。

2020年1月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

時代劇には頑張ってほしい。それは強く願う。
ただ、こんな時代劇は、若い者は観ないよ。つまらないもの。実際、爺婆しかいなかった。

だいたい、実年齢と演じる役が合わない。(帰ってきた宇之吉と、おくみの爺さんの年恰好がほぼ同じとか)
それに、若い役者はいないのか?(村の若者を演じるのに北村、常盤?)
昔仲間との再会、壺振りはすぐ気付くのに、兄貴分のほうは名乗るまで気付かないというのも不自然。
そしてなにより、緊迫感も哀愁もない間抜けな音楽ですこぶる興ざめした。

映像や美術は凝っている。そこは熟練を思わせる。
しかしもう、これまで時代劇を担ってきた方々には裏方に回っていただいて、演者も作り手も才能のある若手に任せましょう。でなきゃ、ほんとに時代劇は廃れます。

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栗太郎

4.08Kは演技を変えるか?

2020年1月23日
iPhoneアプリから投稿

いやーテレビ仕様で役者の大写しが多いのだが、ほんと毛穴や化粧あとまでくっきり見えるので役者さんもやりにくいでしょうね。
元々大袈裟な表情描写の多い仲代達也だが8K
になると目のシワや顔の歪みが一層強調されてしまう。
ヨタヨタじじいのヤクザの立ち回りはあんまり観たくないが、まあリアリズムと思えば愛嬌。
仇の老いぼれ紋次郎の中村敦夫が渋み抑えたいい演技。
結構楽しめました。
特に8Kの力か光の少ないシーンでの画面が綺麗です。

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ごったま

3.5恥の文化

2020年1月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

人は誰もただ一人旅に出て 人は誰も故郷を振り返る ちょっぴり寂しくて振り返っても そこにはただ風が吹いているだけ 人は誰も人生に躓いて 人は誰も夢破れ振り返る

これは半世紀前にヒットしたフォークソングの名曲「風」の歌詞です。

己の死期を悟り30年ぶりに一人帰って来た、仲代達矢扮する本作主人公・無宿渡世人の宇之吉を迎えた故郷では、決して温和で快い風は吹かず、凛冽に身を打つ木枯しが吹き荒んでいたかのようです。

本作は、CSの時代劇専門チャンネルが、藤沢周平原作の時代小説短編を、8K撮影で映画化した作品、いわゆるテレビムービーであり、劇場での期間限定上映にて観賞しました。

昨年、夭折から50年を経た名優・市川雷蔵の、無宿渡世人を描いた晩年の傑作『ひとり狼』(1968年)は、精力、胆力が充実し、気力、体力にやや翳りが見える壮年期の渡世人の、厳しく己を律する毅然とした生き様を描いたのに対し、本作は暗鬱で寂寞感に満ちた老境の身の畳み方・仕舞い様を、己の身も思うようにならない悲哀を漂わせて描いています。

宇之吉の人生の去り際、死に際の滔々たる潔さは、今村昌平監督の名作『楢山節考』(1983年)の、おりん婆に相通ずる、日本人の根底に流れる“恥”の信条・美学の具象化と捉えられます。

孤独からの素朴な望郷の思いによる帰郷には、恥を滌除してくれる贖罪の舞台が整えられ、物語はノスタルジーと肉親の情愛を絡めながら、それでも淡々と佳境に進みます。

時代劇に手馴れた杉田成道監督は、時代劇らしいぼんやりとした灯りの室内の静けさの中、台詞ではなく役者の所作・表情で重く深い情感を漂わせます。

元来がTV放映を前提とした映像作品なので、寄せのやや仰角気味のカットが多く、また老境の渡世人ゆえに立会いやアクションが少なく、主に家内や居酒屋内という屋内での動きの少ないシーンが多く展開する、退屈になりかねない処を、現存する唯一の文化勲章受章俳優・仲代達矢の重厚な存在感がスクリーンを圧倒し、観客を惹きつけます。

台詞が少ないゆえに美術・装飾と照明の役割は重く、本作では家屋の造作と設えが、鄙びてうら侘びれた倹しい暮らしぶりを犇々と伝え、“黒”が引き立った照明が一層、当時の生活感を引き立てていました。

ここでも美術監督の倉田智子氏の腕の冴えを実感しますし、照明の奥田祥平氏に加え撮影の江原祥二氏等の熟練の京都スタッフの技術の粋を堪能しました。

冒頭とエンディングに現れる、宇之吉の故郷・木曽福島を覆い包んで聳え立つ木曽御嶽山。その悠々たる雄姿は、所詮は短く儚い人の生を受け留め、全てを恕し包容するかのようで、人の世の無常と自然の悠久の神々しさを象徴しているように思えます。

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keithKH

2.0つまらなすぎて唖然

2020年1月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

原作がくだらないのか、演出や脚本が問題なのか分からないが、つまらなすぎて唖然とした。

仲代をはじめ、“名優”と言うべきベテラン俳優も出ている。
にもかかわらず、常盤貴子を筆頭に、誰も彼もいかにも“カメラの前で演技しています”といわんばかりの、わざとらしさや嘘くささが満載。
そもそも、どう見たって、仲代扮する「宇之吉」老人が、「九蔵」子飼いの若い衆と張り合えるわけがない。
また、老人同士の立ち回りなど笑止千万。何が面白いのか。

キレなし。味わいなし。エンタメなし。
極めつけは、エンディングに、なぜか「レクイエム」が流される意味不明。
御嶽山が泣いている。

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Imperator

4.0今生の別れ

2020年1月21日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

 最近はあまり使われないが「今生の別れ」という言葉がある。2019年の11月に朝倉あきが主演した「私たちは何も知らない」という芝居の中でこの言葉が使われていて、大変に感銘を受けたことを憶えている。この世の最後の別れのことを今生の別れという。卒業式のあと友人に対して「これが今生の別れなら、私の思いを伝えておきましょう」などという使い方をする。
 本作品は「今生の別れ」を描いた作品だ。別れというと、別れに関する曲や歌をたくさん思い出す。世の中には出逢いの曲よりも別れの曲のほうが多い気がする。真っ先に浮かぶのはショパンの「別れの曲」であり、次いで「別れのワルツ」つまり「蛍の光」である。スコットランド民謡に稲垣千穎が日本語の歌詞をつけたのがつとに有名であり、日本では主に卒業式に歌われる。デパートやレストランの閉店音楽としても流されることがある。
 稲垣千頴の歌詞は 4番まであることが知られているが、3番と4番は何だかお国のためにみたいな歌詞で、右翼的な政治家がその歌詞を演説に悪用したことがある。1番と2番の歌詞は本当に素晴らしいと思う。特に2番の歌詞は、今日を限りにここを出て行く人とここに留まる人のそれぞれに、互いに対して万感の思いがあるけれどもそれをたった一言、ご無事でという言葉にこめて歌う、そういう歌詞なのである。
 とまるもゆくも かぎりとて
 かたみにおもふ ちよろずの
 こころのはしを ひとことに
 さきくとばかり うたふなり

 仲代達矢が演じた主人公宇之吉と、三十年ぶりに再会した橋爪功の佐一が酒を酌み交わしたあと、右と左に別れていくシーンで、この2番の歌詞が心に浮かんだ。宇之吉が発する「達者でな」は、互いの万感の思いをこめたひと言だ。まさに今生の別れのシーンであり、人生の切なさが凝縮されたような、美しいシーンである。
 本作品に登場する堅気もヤクザも、生きていくのは苦しいことばかりだ。それでも人と人の関わり合いの中に生きる喜び、ささやかな喜びを見出して生きていく。宇之吉はこれまで、自分のためだけに生きてきた。恩を仇で返したこともある。罪は罪。自分が一番よく知っている。先をも知れぬ老いた宇之吉にとって、人が喜んでくれることは何にも代えがたい嬉しい思い出となるに違いない。
 終始、美しい木曽路の風景が全編を通じての背景となっていて、8Kの映像はこんなに綺麗なのかと驚いた。常盤貴子は8Kの鮮やかな映像にも堪える美貌を存分に見せてくれたが、ひとつだけ不満を言わせてもらうと、演じたおくみのキャラクターがどうにもはっきりしないところがあって、終盤で少し違和感を感じた。
 それ以外は田中美里のおどろおどろしい演技も含めて、役者陣は満点だ。特に浅吉を演じた谷田歩が素晴らしい。ヤクザの幹部らしい肚の据わり具合と物言いは凄みがあった。中村敦夫が演じた九蔵は、宇之吉にとって好敵手のような存在であり、九蔵との再会が物語にダイナミズムを与えて、坂を転がるようにストーリーが進む。しかし待っているのはいつも今生の別れである。
 悲しくて寂しくてやりきれない物語だが、木曽路の自然が人の一生を包み込んでくれるようだ。ラストシーンでは登場人物それぞれの人生がフラッシュバックのように次々に脳裏に浮かぶ。時代劇のよさを余すところなく見せてくれた作品だと思う。

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耶馬英彦

4.5命は人のために使うんだ!

2020年1月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 藤沢周平原作だなんて、聞かなければ全くわからないのです。正直なところ、藤沢作品は読んだことがないのですが、映像化された作品で知る限りは山形の小藩を舞台に武士が主人公であるものが多いということ。それなのに今作は武士ではなく、渡世人・ヤクザが主人公なのです。

 渡世人という設定を意識してか、乱闘シーンや殺陣も全く違ったものになっています。剣道を基本としたものではなく、チャンバラみたいに自由に刀を振り回し、バックハンドみたいに斬る座頭市みたいな雰囲気。木枯し紋次郎に出てくる殺陣なんかもそうでした。と考えてたら、敵の親分が中村敦夫じゃござんせんか。「あっしは・・・」などと台詞が聞けそうな雰囲気です。

 時代劇専門チャンネルが製作した8K映像が圧巻!とはいえ、舞台となるのが3分の2以上暗闇か建物の中という暗い映像が中心。ところが、この暗闇なのに粒子も粗くならずに綺麗に見えるのが特徴と言えるのだろうか。圧巻とまではいきませんが、こんな暗闇なのに隅々まで見える驚きがありました。暗い部屋の中での殺陣で思い出すのは『たそがれ清兵衛』。しかし、やっぱり8Kには敵わない。昔はこんな暗いのが普通だったんだろうなぁ。

 あらすじだけ読んでもストーリーは想像がつく。かつて結婚を約束していた女お秋(前田亜季)に「3年待ってくれ」と懇願し、故郷を離れた宇之吉(北村一輝)。結局は焼津(?)の親分のところに下駄を預け、兄貴分のところで世話になっていたが、(詳しくはネタバレになるので伏せますが)結局3年どころか30年も経ってしまったのだ。そして余命もあと僅かと悟った宇之吉(仲代達矢)は故郷を目指すのだった。

 独り言をはじめ、台詞がどれもこれも渋みがあってカッコ良すぎの仲代さん。とはいえ、彼の歩んできた人生は間違いだらけで自責の念に縛られてもいる。どうせ長くない余生を若き者たちのために活かそうとする老人なのだ。そして因縁の対決シーンは丁半賭博。相手は宇之吉だと気づいてないほど、落ちぶれているのに、女好きの面だけは若かりしときと同じ。勝負の緊迫感はカイジどころじゃありません。とにかく、勝負は命そのものを賭ける気迫。

 そして女優陣の色気がたまらなくいい。また、常盤貴子の強さと弱さの両面を使い分けるところもいい。木曽福島という独特の山岳信仰という世界観もしみじみ伝わってくるし、ちょっとしたコミカルな部分も冴えていた。佐藤二朗もなかなか良かったですよ。

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kossy