劇場公開日 2020年11月13日

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「クレイジーな人」タイトル、拒絶 Don-chanさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 クレイジーな人

2025年11月26日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

悲しい

 カノウ(伊藤沙莉)がいるから観ていられる。
 マヒル(恒松祐里)の普通じゃない感じ好き。
 ヤヨイ(大川原歩)のキャラクターが笑える。
 他にも、デリヘル店“クレイジーバニー”で働いている女性の中に『ヒメアノ〜ル』(2016年)でヒロインのユカを演じた佐津川愛美さんもいた。
 オーナー(でんでん)が神棚に二拝二拍手一拝する場面はリアルで良い。

 登場人物たちを観ていて自己肯定感の低さを感じた。
 需要と供給で納得して取り引きするビジネスとして現在合法なら、もっと誇りを持っても良いと思う。嫌ならカノウのように逃げても良い。デリヘルに限ったことではなく、どんな仕事にも共通して言える。
 あとは、怒鳴る男どもは自分のカッコ悪さを知ったほうが良い。正当な理由のない恣意的な暴力は重大な人権侵害だ。

 誰が何を考え
 何の話をし
 何をしようとしているのか
 ほとんどわからない
 それが当たり前
 そういう演出の群集劇

 監督・脚本 が山田佳奈さんなだけあって、全体的に台詞に魅せられた。

 狂った世界にいながら狂わずにいられるほうが狂っているんだ、多分。
 カノウが泣いているシーンでさえ、観ていて笑えてしまうという私はクレイジーなのでしょう、きっと。

・●・●・●・●・●・●
 本作は根底に悲しさがあって愉快ではないけど、私には未知なる世界ということもあって興味深かったし、それぞれのキャラクターが面白くて、かなりずっと笑顔で鑑賞してしまいました。楽しそうに明るくしているマヒルの心境とリンクしたのかもしれません。

Don-chan