劇場公開日 2020年11月13日

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「伊藤沙莉のお色気路線に需要はあるか」タイトル、拒絶 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0伊藤沙莉のお色気路線に需要はあるか

2020年12月9日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

楽しい

難しい

2020年映画館鑑賞128作品目

舞台の映画化
山田佳奈監督初長編映画

脚本を読んだら面白いのかもしれないがそれを映像にするとそうでもないできになってしまったのか
比較的若い女性が描く風俗映画はどうしてもこうなる典型
面白いかどうかは別として男が監督ならこうはならないだろう
山田監督はまだ若い
これからだ

R指定だがそれほどエロくない
女性のヌードがない
片岡礼子でさえやはり脱がない
R15の『うろつき童子』や『そうかもしんない』を思えば刺激的とはいえない
それは大川原歩や片岡礼子に年が近いおじさんの感覚であって小中学生からすればあの会話のやりとりやテンガだけでじゅうぶんR指定かも
まともな親が子供に観ても良いと判断するような内容ではない

100%伊藤沙莉目的で鑑賞
今年だけで映画出演6本らしい
観る側の好みが分かれるだろうがゴリ押しでもなんでもなく現場から愛されて求められているんだろう
一応主役だが群像劇
元々デリヘル嬢として入店したが仕事内容が無理でスタッフに転向した女の子を演じる
大学は出たものの資格はとったものの都会ではまともなところになかなか就職できない女子の厳しい現実
下っ端感が半端ない
デリヘル初仕事で上半身黒ブラ姿で客から逃げるシーンが面白かった

デリバリーヘルス『クレイジーバニー』で働くデリヘル嬢たちとスタッフたちの群像劇

予告編観ていたら面白そうだったが本編見たらそうでもなかった
つまらないかといえばそうでも無い
なんだか理屈っぽい映画だ
共感を何よりも重要視するような人には向いていない作品だし職業に貴賎なく風俗業にプライドを持っている人にも向いていない
悪質なポン引きと書かれた看板の前で上半身黒ブラの伊藤沙莉の主張が印象的

伊藤沙莉以外の若い女優さんのセリフがいまひとつピンと来なかった
台詞の多さのわりに感銘を受けることなく難しいことを言っていようで薄っぺらくでもそこがリアルなんだろう
フジテレビ系で日曜朝7時から放送されている『僕らの時代』で女子アナ3人だったときのやりとりよりは面白い
気取ることなくクズがクズなりに思いを曝け出しているからだろう
クズな人ほど人を見下すものである
この映画に出るキャラたちは「わかるーあるあるー」なんてノリはあまりない

笑う恒松とキレる佐津川
二人の芝居が特に良かった
主演とこの二人の熱演が観れただけで1200円払った価値がある

あとモトーラがバットを持った野球帽の男に追跡されるシーンはいらない

あともう一つ
結局火はつかなかったボヤがちょっとわかりにくい
プチ吉原炎上?

野川新栄