「山田佳奈の今後の飛躍を確信する」タイトル、拒絶 大塚史貴さんの映画レビュー(感想・評価)
山田佳奈の今後の飛躍を確信する
クリックして本文を読む
2019年の東京国際映画祭で鑑賞。
劇団「□字ック」主宰の山田佳奈が、13年初演の同名舞台を自らのメガホンで映画化したもの。
「それぞれ事情を抱えながら力強く生きるセックスワーカーの女たちを描いた群像劇」という説明文だけ聞くと、ハードな内容を想像しがちだが、そんな事はない。
ある若い女の入店によってデリヘル嬢たちのアンバランスな関係が崩壊していくさまを、リアルなセリフの応酬で一気に描いている。伊藤沙莉の存在感はもちろんだが、恒松祐里と佐津川愛美の地道にキャリアを構築してきた演技力も秀逸だ。
19年に舞台「掬う」も鑑賞してきたが、男性とか女性とか関係なしに、山田佳奈という視点で何を見据えているのかが気になる、非常に興味深い作り手。再び長編映画を手がけてくれることを期待してしまう。
コメントする