悪なき殺人のレビュー・感想・評価
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意外と面白い
面白い。
見終わった瞬間、立石タイガーの「コマ割り絵画」や「虎の絵」を思い浮かべてしまった。
ある事柄を当事者側から見た事実として、輪廻していく。それぞれの事象は、ちょっと突飛だったり、ご都合主義的な事が多かったけれど、作品全体として非常に上手く出来ていて、面白かった。
こういう方法を取れば、限りなく面白い映画が出来てしまうのではないだろうか?と思わせてくれた。
冒頭シーンは、引きカメラで冬のフランスの農場を写す、とても絵画的。そして寒々した夫婦関係がなお一層、冬の厳しさを思わせてくれる。で、一転 暑苦しい部屋でPCを操っている黒い人たち。白から黒への急転。
そして、ネットの中の美女に夢中になってしまうミシェルは、『ジュリアン』に出ていたお父さん😳うーん、顔にインパクトあり、私には、クラーナハの豪胆公に見えてしまう。ま、そんなに威厳は無いのだけれど🤔そしてもう一人、マリオンは、ジョン・カリンが描く女の子に似ていて非常に魅力的だった。
私には、色々な絵画を思い起こさせてくれた映画だった。
⛄️・🚙・🐕
雪が降り頻るフランスの山奥の町で1人の女性が行方不明となった。
事件の関係者は町の人間から遠い異国まで広がり、偶然によって全く関係のなかった人物までもが事件へと結びついていく。
やられた。面白い。
一つの愛が他の愛を呼んで偶然が連鎖していく。
章立てになっており、ひとつひとつのピースが型にはまって大きな物語が構築されていくが、この映画のジグソーパズル、完成はしない。
それぞれの登場人物たちの物語はそれぞれ途中で終わりを迎え、彼らのその後は描かれていない。
そして、ラストのあの展開。
まだまだ終わらなそうな偶然にワクワクしながらの幕引き。
やりすぎとも言える偶然の連発には思わず笑みが溢れた。
正直、悪なき殺人などないと思う。
作中でも実際に手をかけた人物のあの行動は悪ありまくりだった。
不倫とか詐欺とかストーカーとか、寧ろ悪で溢れかえっている。
ただ、この映画は殺人がどうだとか不倫がどうだとか、そういう話ではない気がする。
全く説教染みずに多様性を描ききったのも評価ポイント。
国、人種、愛の形。
昨今、ポリコレがなんたらで作品自体が別物になることもあるけれど、ミステリーというエンタメの中で何気なく多様性を描けるって素晴らしい。
グローバルになった世界では、地球人である以上完全に他人でいることはできないのかもしれない。
人間は偶然には勝てない。
人と人、時間と時間が繋がった時の爽快感が堪らない傑作だった。
これは駄作です。(ネタバレ有り)
「羅生門というよりはBABELを彷彿。一発の銃弾から物語が始まった...
秀作っぽい雰囲気に溢れた凡作
一見バラバラに見える散りばめられたピースが、最終的にカチッと一つにまとまるところに快感がある。のだと思うのです。
しかしこの作品は、話の進行とともに見知らぬピースが登場し、ただそれらが繋がっていく様を見せられるだけ。『風が吹けば桶屋が儲かる』が、結構に都合のいいピース達で展開されていく。こちらとしては「まぁそういう人が出てくれば繋がるよね。だからなんなん?」となってしまう。
一見妙味のある脚本にも思えるが、実は少しややこしく書いた人物相関図がそこにあるだけ。「偶然性」をテーマとしているからかもしれませんが、世の中の偶然をそのまま描かれてもまぁ。ねぇ。せめて最初にみんなを見せてくれればねぇ。
ネカマチャットのシーンで妙にウケているおっさん達が数名いましたが、色々とキツかったです。
エロくそな自分たちの人間賛歌
最初、ラストの意味がよく分からんかったわ
練りに練って練りすぎちゃった…笑
このオヤジ、マジヤバくね?
【必然のような偶然】
こんな必然のような偶然があったら、本当に怖い。
ゲラゲラ笑いながら観ている年配の男性がいたけれども、まあ、こんな状況は、コント・レベルだなと思う反面、人には、多かれ少なかれ、秘密にしてることがあって、お墓まで持っていかなくてはならないようなものは、こんな寒村だと尚更なのかなと考えたりもした。
それにしても、やっぱり、あの男性は、笑い過ぎだと思う…。
ところで、何を書いてもネタバレになりそうなのだけれども、少しだけ……。
なんか、フランスでも寒村は、こんなふうに鬱々としてしまうのだろうか。
監督は、キャストそれぞれに共感できる人はいるんじゃないかと言っていたらしいけれども、皆さんは、どうだったのだろうか。
僕は、アバンチュールは求めないし、死体に寄り添う気持ちもないし、ネットで出会いを求めないし、暴力は嫌いだし、そう云う意味での共感は出来なかった…。
ただ、必然っぽく仕立てられた偶然の数々を背景にしたストーリーや、別の角度から繰り返し同じ場面を見せる手法も面白かったし、フランスの田舎の鬱々とした感じが、物語を引き立てて、内容云々より見入ってしまう作品だった。
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