悪なき殺人のレビュー・感想・評価
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「羅生門というよりはBABELを彷彿。一発の銃弾から物語が始まった...
「羅生門というよりはBABELを彷彿。一発の銃弾から物語が始まったBABELと違ってこちらは人間の欲望、業が生み出す悲劇の円環を描いていて、ある意味ブラックな喜劇でもあった。登場人物はみんな愚かな選択を行うんだけど、観客にその選択に自問させる作りが物語に深みをもたせていた。
秀作っぽい雰囲気に溢れた凡作
一見バラバラに見える散りばめられたピースが、最終的にカチッと一つにまとまるところに快感がある。のだと思うのです。
しかしこの作品は、話の進行とともに見知らぬピースが登場し、ただそれらが繋がっていく様を見せられるだけ。『風が吹けば桶屋が儲かる』が、結構に都合のいいピース達で展開されていく。こちらとしては「まぁそういう人が出てくれば繋がるよね。だからなんなん?」となってしまう。
一見妙味のある脚本にも思えるが、実は少しややこしく書いた人物相関図がそこにあるだけ。「偶然性」をテーマとしているからかもしれませんが、世の中の偶然をそのまま描かれてもまぁ。ねぇ。せめて最初にみんなを見せてくれればねぇ。
ネカマチャットのシーンで妙にウケているおっさん達が数名いましたが、色々とキツかったです。
エロくそな自分たちの人間賛歌
失踪した一人の女性、そして彼女と直接係わりがあった4人の男女、さらには彼らと直接あるいは間接的に関係した5人の男女の群像劇。
日本語のタイトルに偽りあり?
悪も悪意も在った。
完全に犯罪だった。
原題(Seules les bêtes)の直訳(獣のみ)が相応しい。登場人物は皆クソだった。しかし誰のことも否定することはなかった。エロくそな自分たちの人間賛歌となった。
すべてが一方通行の愛も潔い。
スタイリッシュだと思う。
各々の登場人物にバトンを渡し、各々の視点で語っていくスタイル。時系列を前後させつつ、点をしっかりと線にしていく脚本は見事だ。
最初、ラストの意味がよく分からんかったわ
タイトルやチラシなどの写真からくるイメージとは全く違う展開で犯人探しの話というよりそれぞれの登場人物を掘り下げていく物語で序盤からいわゆる主役という人達が次々に変わっていく。
しかし、この展開がなんとも面白く興味深くてスクリーンに見入ってしまうのだ。余談だがエッチなシーンがサラッと幾度か差し込まれてくるし。
というわけであっという間に2時間経って終映するのだが、ラストが少し分かりにくい。
ここまで、広い世界の偶然の物語なわけで、ラストもう少し分かりやすくしてれば、よかったのに。
練りに練って練りすぎちゃった…笑
本当によく出来たシナリオで、後半の登場人物たちの繋がり具合には感心したのだけど、最期は流石にちょっとやり過ぎちゃったんじゃ… 苦笑
偶然に偶然が重なり合うことでストーリーが成立していくのだけど、少し都合が良過ぎるかもね 苦笑
そうは言っても、製作陣のドヤ顔が浮かんでくる程の、練りに練った感がこれでもかと伝わってくる意欲作ですね!
このオヤジ、マジヤバくね?
序盤は犯人候補が次々とややこしいお話かと思いきや以外と解りやすい。派手なアクションや緊迫したサスペンスは無いけど見応えは充分あり。淡々と進むのが良い。
なりすまし詐欺のシーン観てるうちに犯人なんかどうでも良い感じになってしまった。こんなあっさり騙されるバカオヤジって実際にもいるんだろうな。
【必然のような偶然】
こんな必然のような偶然があったら、本当に怖い。
ゲラゲラ笑いながら観ている年配の男性がいたけれども、まあ、こんな状況は、コント・レベルだなと思う反面、人には、多かれ少なかれ、秘密にしてることがあって、お墓まで持っていかなくてはならないようなものは、こんな寒村だと尚更なのかなと考えたりもした。
それにしても、やっぱり、あの男性は、笑い過ぎだと思う…。
ところで、何を書いてもネタバレになりそうなのだけれども、少しだけ……。
なんか、フランスでも寒村は、こんなふうに鬱々としてしまうのだろうか。
監督は、キャストそれぞれに共感できる人はいるんじゃないかと言っていたらしいけれども、皆さんは、どうだったのだろうか。
僕は、アバンチュールは求めないし、死体に寄り添う気持ちもないし、ネットで出会いを求めないし、暴力は嫌いだし、そう云う意味での共感は出来なかった…。
ただ、必然っぽく仕立てられた偶然の数々を背景にしたストーリーや、別の角度から繰り返し同じ場面を見せる手法も面白かったし、フランスの田舎の鬱々とした感じが、物語を引き立てて、内容云々より見入ってしまう作品だった。
円環が美しく閉じました
章立て構成が好みで洒落ていた。フランス🇫🇷映画的。好きな女優さん、テデスキが出ていて嬉しかった。ミシェルの最後の笑みがあんまりにも可愛くてつられて笑ってしまった。あと味悪くなくて良かったな。これが人生だーーー💕
雪国ミステリーの新たな名作誕生!
雪国ミステリー(って書き方すると日本の推理小説みたいだけど)って、重厚なものが多い。しかも広大な土地で起こる事件だから目撃者もいないだろうし。だから「動物だけ(が見ている)」って原題も納得。
ミステリー的な物語と思っていたが、実はそれぞれの人物から観た物語で全貌を語っていく群像劇のような話だった。最近観た「最後の決闘裁判」と手法が似ている。そういう意味ではかなり練られた脚本だ。もちろんリアルではありえないような偶然が重なってさらに重なった感じなので、それを受け入れるかどうかが楽しめるかどうかの大きなポイントかもしれない。
私は映画として受け入れたのでとても面白く鑑賞できた。こんな話が好きなんだよな。チャットのやりとりのすれ違いについては、アンジャッシュのコントを連想してしまったことも事実なんだけど。それも含めて好き。雪国ミステリーに新たな名作誕生だ。
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