「キャラクター認識を頑張れ」サーホー つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
キャラクター認識を頑張れ
インド映画には珍しくかなり複雑な作りで、顔を認識しておかないといけない人も十四、五人いる。
最初は、ロイグループの内部抗争と、強盗を追う警察の2つが軸。それが四巴に。そして、一瞬だが五巴にまでなる。
誰と誰がどういう関係で~とかをしっかり認識出来てると、ちょこっと入る怪しい行動に、ちょっと待って!お前内通者なの?そうなると組分けがおかしいことになるんだけど?!と楽しめる。裏切り者みたいな立場の人が数人いるからね。
あるデカい計画が進行しているのだが、見終わってから振り返りよくよく考えてみると何度か小さな失敗をしていたり、予想外の出来事が起きていたりするんだよね。
あとになって、あれってそういうことかと気付ける楽しさもある。
アクションはオマージュシーンも満載で良かったし、複雑故に面白い展開と相まって全体的には悪くなかった。
しかし、これまたインド映画には珍しく、劇中の曲があまりよくなかったと感じた。インド映画で突然歌い出す場面のあれね。今回は歌が流れて踊るだけのパターンだったけどね。
そのミュージックビデオみたいな場面がロマンスパートだけだったのも良くない。アクションシーンと絡めた歌とダンスも欲しかった。
そもそも今回は、これまたインド映画には珍しくロマンスパートがイマイチだったね。本気でなくてもいいんじゃないかと考えた。
必要のないロマンスがはさまってくるのはマサラムービーのお約束とも言えるわけで、その必要のなさも含めて基本は歓迎なのだけれど、楽しめないのならないほうがいい。
そんなわけで、複雑で精巧なストーリーと、ド派手でバカバカしさもあるアクションで面白いが、曲がイマイチで減点。
インド映画で曲が悪くて減点するの初めてかもな。
