「満腹感、サービス精神、過去作へのリスペクトをみなぎらせた力作」燃えよスーリヤ!! ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)
満腹感、サービス精神、過去作へのリスペクトをみなぎらせた力作
これまで我々が「インド映画とはこんなもの」と判で押したように理解してきたテイストとも明らかに違うし、かといって従来のカンフーアクションという枠にも収まりきらない、突然変異的な何かを感じる一作。冒頭から際立つモノローグが映像と掛け合い、さらにはジイちゃんの放つ「水分補給を忘れるな!」という決め台詞がジワジワとボディブローのように効いてくる。そこから始まる「小さな恋のメロディ」を二重にも三重にもトルネードさせたボーイ・ミーツ・ガールもまた瑞々しく、可愛らしい。もしかすると前半部分のこの辺りが作品中もっともクオリティ高く、語り口の創意工夫が行き届いているかも。そしてようやく、運命のビデオテープと遭遇するあたりから、物語は本筋へ。もうここまでくると何でもかんでも盛り込みすぎで収集ついてない感じは否めないのだが、その満腹感、サービス精神、過去の名作へのありったけのリスペクトはひしひしと伝わってくる。
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