「最後まで「ランボー」。」ランボー ラスト・ブラッド ガバチョさんの映画レビュー(感想・評価)
最後まで「ランボー」。
ランボーについに安住の地は与えられなかった。戦うことでしか自分の存在を示せなかった男には、人並みの静かで愛に満ちた生活は似合わなかった。年老いても「最強の戦士」を証明して見せた。メキシコのマルチネス兄弟も喧嘩を売った相手が悪すぎた。「史上最強の人間凶器」ランボーである。ランボーらしく牧場をトラップだらけの要塞に作り替えて、迎えたマルチネス一味を殺しまくるシーンはまさに「ランボー」である。
派手な殺戮シーンには心が躍る(失礼)が、年老いたランボーにここまでさせる必要があったのだろうか。本当に見せたかったのは牧場での戦闘シーンだけであとはそのためのお膳立てになってしまっている。ランボーはなぜ牧場で地下壕を作って最新の武器や兵器を揃えているのか。幸せが身近にあるのに内心戦う気満々にしか見えない。ガブリエラと父親のエピソードが安直すぎる。なぜ私たちを捨てたのかって、そんなのクズ人間だからに決まっている。そんな父親からこんなピュアな娘が生まれることが謎だ。メキシコを悪く描き過ぎだ。知識がない人が見たら、メキシコには今もスラムが広がっていて人身売買が普通に行われていると思ってしまう。
なぜランボーに最後の死力を揮わせてこんな破滅的行為をさせてしまったのかよくわからない。制作関係者に意図を聞いてみたい。
コメントする