「強い男のバイオレンスはもはや美」悪人伝 tackさんの映画レビュー(感想・評価)
強い男のバイオレンスはもはや美
観る前はもっと怖い映画かなと思って、少々恐れていたが、マ・ドンソク観たさで鑑賞。
ストーリーも込んでいて最強のアクションムービーだった。
ヤクザの組長と悪徳刑事が同じ相手をターゲットに手を組むのだが、
これが巧く行ってるのかなんだかわからないというのがこの映画の最大の見どころ。
お互いに疑ってはいるんだろうけど、互いの部下や手下を、自らの手下のように扱ったり、
一緒に酒を酌み交わしたり、そしてラストはあの刑事の分捕り方。思わず失笑した。
暴力シーンの多い映画は、やはり観る前はグロテスクなのではないか、とか
恐れを抱いてしまうのだが、何というか強い男たちの殴り合いはもはや美でした。
これは往年のシルベスタ・スタローンやアーノルド・シュワルツェネガーなどが、
圧倒的なマッチョを見せつけて圧倒的に強いアクション映画に似てるような気がする。
こういった感じのマッチョむき出しのアクションは、昨今にはあまりないような気がする。
そんな筋肉お化けのマ・ドンソクだから、アクションシーンはやはりかっこ良い。
やはり迫力がある。
強面だし、アクションシーンも迫力あるが、一瞬見せるコミカルな動きは健在。
さすがマブリー。
刑事役のキム・ムヨルも狡猾ながらもたまに抜けた感じのところがまた面白い。
また個人的にはサウンドも迫力があり、至近距離でのアクションシーンの撮影や、
マ・ドンソクを筆頭に組織がずらっとピラミッド型に闊歩するシーンなどを、観る側が"欲しい"絵をわかっているなあ、と感じた。この辺が本当優れている。映画館で観てこその迫力。
あと、一つ疑問に思ったのはラストシーンで
組長と死刑を言い渡されたサイコキラーが同じ刑務所に入るというオチだが、
韓国って死刑囚は他の服役囚と同じように過ごすのですかね。
そこだけがよくわからなかった。