劇場公開日 2020年7月17日

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「凶悪ヤクザを演じるマブリーの魅力全開!」悪人伝 せき(名前変えました)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5凶悪ヤクザを演じるマブリーの魅力全開!

2020年7月17日
iPhoneアプリから投稿

“ゾンビを素手で制圧する男”ことマ・ドンソクが主演を務める本作は、
“ヤクザと刑事の共闘”というありがちな設定ながら、痺れる展開てんこ盛りの上質韓国ノワールでした!

ある事件をきっかけに、凶暴なヤクザ組長チャン・ドンスと荒くれ者のチョン刑事が、
無差別殺人鬼を捕らえるため協力して調査を進める姿を描きます。

なんといっても、組長を演じるマ・ドンソクの極悪っぷりと、はにかみ笑顔のギャップに魅了されました!

登場シーンから惚れ惚れするような筋肉を披露したかと思えば、すぐさま現す凶悪な素顔に戦慄させられる一方、
時折見せる柔らかな表情には思わず癒されること間違いなし。

闇社会の支配者でありながら子分から厚い信頼を集める人物造形は、
“マブリー”の愛称通りキュートな一面を持つマ・ドンソクだからこそ体現できた役柄でした。

そんな彼とチョン刑事の鏡像関係も見どころの一つ。
部下のしつけ方、相手を出し抜くしたたかさなど共通点はあるものの、
それぞれが“法による制裁”と”暴力による制裁”を望んでいたり、
人を殺めるという行為に直面した際の反応が極端に違ったりと、
協力関係にあっても決して同じ世界の人間ではないことが強調されています。

またストーリーについて言えば、キレッキレの戦闘シーンと、彼らの交流によって和ませるシーンのバランスが秀逸。

ヤクザと刑事の馴れ合いを長引かせず、食い気味に次の展開を仕掛ける脚本は出色の出来栄えでした。

更に終盤には、ここで終わりかな?という予想を何度も裏切られ、
最後はこれ以上ないほど滾る幕引きになっています。

一切だれることなくハイテンションを維持するその熱量には圧倒されました。

韓国ノワールでは賄賂を受け取る悪徳警官ばかり見てきた身としては、
韓国映画の懐の深さに改めて驚かされる一作でした。

映画好きに薦めやすい作品であることは間違い無いですが、
マ・ドンソクが愛おしくてしょうがないマブリーファンは特に必見です!!

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