「いや待て待て。ヒロインクズすぎ。」仮面病棟 吉田二世さんの映画レビュー(感想・評価)
いや待て待て。ヒロインクズすぎ。
ヒロインが黒幕であることや、病院で違法臓器移植が行われている等の設定は割と最初の方の伏線でほとんどの方が何となく分かってたんじゃないかなと思います。
そんなことよりも、いや、ヒロインクズすぎないですか?
無論、お金持ちの勝手で自分の臓器とお姉さんを失ったヒロインが関係者を恨む気持ちは分からなくもありません。
しかし、劇中ではとことんクズ人間のように描かれていましたが、ヒロインに殺された看護師の一人は新婚で、その日で寿退社の予定だったんですよ。突然、新妻を奪われた結婚相手はどう思うでしょうか。
なによりも可哀想なのは、病院でお婆さんを失ったピエロの理学療法士。ヒロインは人殺しまでするつもりのなかった彼を散々利用した後、なんの躊躇いもなく撃ち殺してしまいます。いや、なんで主人公は良くて彼はダメなんでしょうか。これがイケメンとそうじゃないのの差なのかな。悲しいです。
そして挙げ句の果てに事件後、半年間たっても未だに逃亡中の様子。映画はそこまでで、お姉さんの腎臓が入ってる政治家をどうしたかは定かではありませんが、少なくとも5人殺しておいて結局保身に走りましたか。あの後ヒロインはどうするつもりなんでしょうか。逃げおおせてお姉さんの分まで生きるつもりなのかな。看護師の新婚相手が復讐のために血眼で探してるんじゃないかな。
と、私はヒロインのことが全然好きになれませんでした。
映画の出来に関しては専門家でもないのでよく分かりませんが、とりあえず監督始め、映画関係者全員が頑張って作った作品だと思いますので最高点とさせていただきます。