「福島原発事故とその後の福島を描いた映画は多い中、おそらくは現実に近い空気感を描いた映画」BOLT taraさんの映画レビュー(感想・評価)
福島原発事故とその後の福島を描いた映画は多い中、おそらくは現実に近い空気感を描いた映画
様々なジャンルの監督が、311・東日本大震災と福島原発事故について、同時代に起きた大きな出来事として、一本は映画を撮らなくてはというお気持ちになるようですが、こちらは林海象監督が、山形の芸術工科大学で教えておられる学生さんとともに撮られた作品。
京都と山形と二か所で教えておられた監督が、山形の学生さんたちが、東日本大震災による心の傷を受けておられることを感じ取ったのが、この映画を撮ろうと思ったきっかけとか。
三つの短編からなりたっていますが、全体を通して伝わってくるのは、東日本大震災と福島原発事故後のどうしようもない福島の人たちの空気感というか心象風景で、観ていてつらい気持ちにもなりますが、きっとこれが現実に近いのではと想像しました。
原発で働く現場を描いた「BOLT」は、よくぞこんな映像を生み出せたという奇跡の映像です。黒澤明の映画を思い出しました。
芸術としてこだわって作られているので、重い現実が描かれていますが、みるものは何かを受けとれる気がします。芸術の良さを改めて感じました。
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