「星はいつも三つです。」街の上で フェルマーさんの映画レビュー(感想・評価)
星はいつも三つです。
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今泉力哉監督『街の上で』2021年公開作品の再上映。
下北沢を舞台にした若い男女の恋愛騒ぎ。主要部はフランス古典演劇の「三一致の法則」のよう。古着屋や古本屋、狭くるしい飲み屋が並ぶ下北沢での一夜の騒動が展開するが、当然、おさまりかえったところなどはなく雑多な空気がとてもよい。
広い画角のままカットを割らずに俳優の台詞や振る舞いの飛遊を楽しませてくれるが、勝負どころではバンッバンッといさぎよくカットを割っていく。スタンダードサイズの「濃さ」が実感されました。
今泉監督、お見事。
後日談部分、「こんな付け足しはいらないのになあ……」と思う作品も多いなか、とても洒落ている。
古川琴音が萩原みのりにくってかかるところの迫力もいいし、中田青渚が若葉竜也に「出演シーンはカットされていませんでした」となぜ嘘をついたかなどを想像をめぐらせる楽しみもありました。
結論としては、若葉竜也は本好きのとてもいい奴なのであります。
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