「日本映画史に残る恋愛群像劇の最高傑作」街の上で 映画野郎officialさんの映画レビュー(感想・評価)
日本映画史に残る恋愛群像劇の最高傑作
絶妙な間と、痒いところに手が届き過ぎてさらにむず痒くなる会話劇に、ボディブローのように笑った。
特に見事なまでの五角関係の鉢合わせシーンは最高。
複雑に絡み合ってくる恋愛の多角関係を描かせたら今泉力哉監督の右に出る者はいないと言っても過言ではないだろう。
イハの部屋でのシーンを代表に、どこまで脚本通りでアドリブなのか、まるでエチュードのような流れる会話劇に惹き込まれる。(自然と出るリアクション以外は脚本に忠実だったよう)
そして最後の籠りに籠った「好き」は堪らない…(ここの演出は役者の生の演技に委ねて生まれた奇跡のシーンらしい)
下北沢を舞台に起こる、たわいのない恋話を盗み聞きしてるだけのような物語なのに、なんだかとても面白い。
今泉力哉×若葉竜也マジックの独特の空気が流れる温かく心地良い映画。
そしてつくづく今泉監督の作品にはいい役者ばかり揃っている。
端役まで味があって、そしてこれからが楽しみな4人の若手注目女優が揃い踏み。
また今泉監督作詞作曲の「チーズケーキの唄」がいい曲だし、若葉竜也も歌が上手い。いい歌声。
ちょっと疲れたときに観れば、きっと元気を与えてくれるだろう。
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